5月末で緊急事態宣言が解除され、営業自粛も終わり、
ホッとしている人も多いのではないでしょうか?

「さぁまたがんばって昔のように活気を取り戻そう」
と張り切っている方、ちょっと待ってください。

コロナショックはまだ終わっていません。

それは第二波、第三波が来るぞ!
ということではありません。

本当に怖いのはウイルスではないんですね。
本当に怖いのはこれからやってくるであろう「世界恐慌」です。

最近、社会が「大したことなく終わってよかったね」という雰囲気になりつつあると感じたので今回、この動画を出しました。

過剰に不安をあおるつもりは全くないですし、
予言をするつもりもありません。
なので、すぐに不安になってしまうという人は見ない方がいいかもしれません。

ただ、多くの人に「本当に怖いのはコロナじゃないよ!」ということを知ってもらい、それに備えてもらえたらなという思いで、この記事を書いています。

ウイルスで人類が滅びることはない

今回のコロナショックで多くの人がなくなりました。

世界中で626万人の方が感染し、37万人の方が亡くなりました。
一番被害が大きかったアメリカでは185万人の方が感染し、10万人の方が命を落としました。

日本は「ジャパニーズミラクル」と言われるほど奇跡的に感染拡大を回避しましたが、世界の国々、人々、経済は本当に深刻なダメージを受けています。

コロナショックにはいろいろな側面があります。

まずは自分や家族が感染して死ぬリスク。
そして感染したことによって差別を受ける恐怖。

他の人にうつしてしまうリスク。

経済活動がストップすることによる生活への影響。

また、休業要請や外出自粛などによる経済的なダメージ。
それによって仕事を失ったり、給料が下がったりする可能性。

これらの問題は「コロナショック」という大きな枠組みの中にこれだけたくさんの問題が入っているので、多くの人は
「なんとなく不安」「なんとなく怖い」と思っています。

そしてそれがなんとなく終わったような感じで、
「なんとなく一安心」している。

でも本来、これらの問題は別の問題として、
それぞれ解決していかなくてはいけません。

コロナでたくさんの命が失われましたが、
ウイルスによって人類が滅亡するなんてことはたぶんありません。

なので、感染率がどうこう、致死率がどうこう、インフルエンザと同じようなもんだというような議論はこの問題の本質ではないのです。

一番の問題は経済的なダメージなのです。

過剰ドーピングによる「不況の株高」

アメリカでは2000万人以上の人が失業、日本でも265万人が失業するという驚くべき事態になっていますが、
驚くべきことに株価は高値を維持しています。

日米ともに3月末を底値にそこから徐々に回復。
現在も上昇しています。

これはどういうことなのか?

いろいろな見方がありますが、
おそらく政府による「過剰ドーピング」の状態にあるのではないかと思います。

つまり、中央銀行がガンガン株を買いまくって、
値下がりしないように価格操作するという経済政策を
史上最大規模で各国がやりまくった。

というか、景気を回復させようにもお店がしまっている状態だったので
今回はもうそれ以外に打つ手がなかった。

これについて多くの投資家は否定的な見解だったのですが、
今振り返ってみると、実際これがかなり効いたんじゃないかと。
そう考えられます。

また、国民にお金をばらまきまくった。
緊急の支援を必要としている人たちだけでなく、
全国民にお金をばらまいた。

公務員なんて全くノーダメージで
7月には給料2ヶ月分のボーナスももらえるのに
それでも10万円もらえる。

また、そんなにダメージを受けてない企業でも
あんなんはいくらでももらう方法はあるわけで
たぶん融資と持続化給付金のおかげでかなり懐が温まった企業も多いはず。

今回のコロナショックで本当に困っている人と、
仕事的に全然ノーダメージな人がいて、
ノーダメージな人はむしろ儲かっている。

そういうところに余剰金が生まれて、テレワークという環境もあいまって
新たに投資に参入している人も増えているのではないかという意見もあります。

本当に怖いのは世界恐慌

「今回ノーダメージよかった」という人も
「5月で終わってよかった。これからまたがんばるぞ」という人も
まだ油断は禁物です。

本当に怖いのはむしろここからです。
ここから世界恐慌がはじまる可能性が高いです。

なぜなら企業は業績が悪くなったら即潰れるのではなく、
時間差で倒産していくからです。

経営者にとって会社というのは我が子も同然です。従業員の生活もかかっているし、自分の生活もかかっています。

だから、ちょっと調子が悪くなったり、
コロナで先行きが不安だからと言って、
「はい、今月いっぱいで会社つぶれます」とはならない。

固定費を削減したり、事業を縮小したり、
リストラしたり、融資を受けたり、
または事業内容を変更したりしてなんと生き残りを図り、
今後も続けられる仕組みをつくろうと努力します。

社員の目からは見えないかもしれませんが、
多くの経営者は今、この仕事を必死でやっているでしょう。

それでもどうしようもなくなったら、いよいよ倒産、ということになります。
つまり、これから「営業再開して、なんとかがんばったけどやっぱりダメだった」という企業がドンドン出てくる。

今すでに多くの企業が倒産していますが、
それはもともと体力がなかった企業です。
今月の売上がそのまま全て支払い分で出ていくようなところは、
売上が止まった瞬間に持ち堪えられなくなります。

そして、そこをなんとか持ち堪えた企業も、
売上が回復しない限りは、融資や給付金が底をついたら倒産していきます。

その波が来るのはまだもうちょっと先なので、
仕事を失う人、収入が減る人、会社が倒産する人が増えていくのはこれからなのです。

また、ヨーロッパやアメリカの経済が今、壊滅的なダメージを受けていますが、
その影響もいずれ日本にやってきます。
リーマンショックなどで外国の企業がつぶれた影響が日本にもきましたよね。
それが起こりはじめるのはこれから、ということです。

今のアメリカは失業率14%、1〜3月GDP-4.8%。
これは世界恐慌についで悪い数値です。

さらに4〜6月はGDP-20%超える可能性があると言われていて
そうなるといよいよ世界恐慌に並びます。

今の経済状態は世界恐慌、世界大不況の入り口でしかありません。

そしてさらにそこにコロナの第二波、第三波が重なってくる可能性もあります。
大不況まっただ中に営業自粛なんてもう給付金を待つことしかできません。

「なーんだ、大したことなかったじゃん」
と油断してはいけないのです。

油断しないで備えをしよう

じゃあどうすれば良いかというと、
まず経営者の皆さんは
「あーよかった。今まで通りやっていこう」
とは思わないでください。

「またコロナショックが起こってもやっていける体制」
をつくってください。

例えば、いったん辞めてもらったアルバイトをまた増やして、
ガンガン回転率上げてやっていこう、ではなく、
前よりも少ない人数で、回転率も下げて、それでもやっていける仕組みに変える。
というようなことです。

もちろん消毒、空気清浄、換気、マスクの備蓄、キャッシュレス決済の導入などは
ウイルス対策万全の体制をつくっていくというのは大前提の話です。
テレワークのシステムをしっかりつくっておくのも大切です。

会社員やフリーランスの方は、
もし会社や取引先がつぶれても数ヶ月は生きていけるだけの準備をしておくことです。

今回ノーダメージだったからと言って給付金を無駄遣いするのではなく、
できればいざという時のために確保しておきましょう。
1ヶ月後にあなたの会社があるという保証はありません。

「現金を確保しておくと言ってもインフレ で価値がなくなる可能性もあるのでは?」という方もいますが、
もしあなたが1000万貯金があるなら、そういう心配をした方が良いですが、
100万ぐらいだったら分散していても苦しい状況には変わりないと思うので、
とりあえず現状ではすぐ引き出せる現金として口座に入れておけば良いです。

この先の見えないタイミングで投資や積立をするのは得策ではありません。

また他にも
今の会社以外でも使えるスキルを身に付ける、固定費の削減などをしておくと良いでしょう。

今回はちょっと皆さんが不安になるような話もしましたが、
「台風がくるぞ」とわかっていれば、ある程度の準備をしてそれにのぞむことができます。

全くお気楽に外出していて傘ももたずに嵐に見舞われるよりは
その方がよっぽど良いでしょう。

ぜひ備えをして、少しでも安全にこの嵐を乗り切りましょう。