日本はデジタル分野で
10年〜15年遅れていると言われています。
なんかちょっと前まで
「仕事中にスマホ使うな」とか
「会議中にLINEやってんな」とか
「スマホなんて遊びだ」とか
そんな風潮ありましたよね。
頭の硬い、いわゆる老害と言われるような連中が
そんなバカなことを言ってる間に、
日本はどんどん世界から取り残されてしまっています。
ところが、
コロナショックで日本は強制的にデジタルの世界に
足を踏み入れることになりました。
半年前までzoomでミーティング、
zoomでイベント、
ましてやテレワークなんて想像もしていなかったですよね。
そして最近思うんですけど、
コンビニとかドラッグストアのレジで
キャッシュレス決済してる人、
増えてきたと思いませんか?
小銭探してえーちょっと待ってねーってやってる人がいると
早くしろよ、みたいなね。
日本にも15年遅れで、
ようやく本格的なデジタル社会が迫ってきているのです。
これからはじまる本格的なデジタル化によって、
世の中はどう変わるのか?
今回はそんなテーマでお送りします。
デジタルが得意な人はほっといても
勝手に適応していきますからいいんです。
むしろデジタル苦手という人ほど観てほしいです。
ちょっと今回は「じゃあ私たちはどうしたら良いのか?」というところまでは
話しきれないと思います。
が、今回はなす内容は、これからの社会の基礎知識ですから、
絶対ここは押さえておいてほしいです。
このブログでは「好きを仕事に自分らしく生きる」をテーマに、
ビジネスや社会システムに関する記事を配信しています。
最新の情報や未来予想を発信していますので
見逃したくない方は、ぜひ定期的にご覧ください。
それから(トップに貼ってある動画の方に)
いいね、コメントをしていただけると私の励みになりますので、
ぜひよろしくお願いします。
低評価、アンチコメントはせっかくしていただいても
ノーダメージなのであまりオススメはしません。
あと(YouTubeの)
サブチャンネル、TikTok、Twitterもやっています。
動画の概要欄にURL貼ってありますので、
興味ある方はそちらのフォローもよろしくお願いします。
デジタル社会の向こう側
日本がコロナによってようやく
デジタル化の扉を開けはじめた現在、
世界の国々はもうひとつ先の扉を開け、
さらに先の時代に進もうとしています。
アフターデジタル
という本が2019年(コロナ前)に出版され、
コロナ禍の波に乗ってヒットしました。
世界はまさに
アフターデジタルの時代に
突入しているのです。
ところがですね、
私もデジタル社会について
めちゃくちゃたくさんの本を読んだんですが、
どれも難しい。
どれくらい難しいかっていうと、
UX
DX
MOM
ケイパビリティ
アップセル・クロスセル
アーキテクチャー
バリューチェーン
バリュージャーニー
MaaS
GaaS
D2C
OEM
カスタマージャーニー
アジャイル
こんな感じです。
こんな言葉を羅列されて、
意味わかる人います??
私も途中で何度も本を破り捨てたくなりました。
ということで、
今回はすぎやまがわかりやすく、
アフターデジタルをってなに?っていう話、
そしてアフターデジタルの生き抜き方をお伝えしますね。
アフターデジタルとは?
まず核心部分から。
アフターデジタルというのは
「オフラインがなくなった世界」のこと。
「基本オンライン、デジタル、
その中に時々リアルがある」そういう世界のことです。
コミュニケーションが一番わかりやすいですかね。
今までは会って話すのが基本、
その後、LINEやメール、電話でやりとりするけど、
やっぱり大事な決定事項とかは会って話して決める。
これに対してアフターデジタルの世界では
基本、オンラインでやり取りする。
オンラインで常につながった状態で、
商談を進めたり、交流を深めたりする。
そして、ここぞという時には会って話をする。
「オフラインがなくなった世界」のこと。
「基本オンライン、デジタル、
その中に時々リアルがある」とは、
まぁごくごく単純化して話すとそんな感じです。
今までの世界は、
基本リアルでしたよね。
コミュニケーションにしても、
ビジネスにして。
デジタルツールはあるけれども、
基本はリアル。
リアル店舗の売り上げを上げるために
HPを作ろうとか、アプリを活用しようとか、
あくまでもリアルありきのオンライン。
こういう世界のことをビフォアデジタルといいます。
図にするとこんな感じです。
それに対して
アフターデジタルの世界は
基本デジタル、基本オンラインで常につながっている。
その中に時々、特別な体験としてのリアルがある。
図にするとこんな感じです。
この発想の転換ができるかどうか?
それがこれから始まる時代の中で、
あなたが、あなたのビジネスが生き残っていけるかどうかの
カギを握っています。
うーん、なんとなくわかるような気もするけど、
まだよくわからないなという方も多いですよね。
でも大丈夫です。
なんとなくそうなんだぐらいに思っていてください。
動画の最後には理解できていると思います。
社会はどう変わるか?
ということで、ここからは社会や仕事がどう変わるか?という話をしていきます。
1)交通・流通革命
一番大きな変化は『交通・流通革命』かもしれません。
え、デジタルの話なのに、
交通・流通革命ってなに?と思いますよね。
例えば、
みなさん、今、新宿のあのお店に行きたいという時に
どうやってその経路やルートを調べますか?
多くの人は
Yahoo乗り換え案内アプリだったり、
バス会社のアプリだったりで調べて
それでルートや時間などを決めていくと思います。
でも
人によっては
できるだけ早く行きたい人もいるかもしれない。
できるだけ乗り換えを少なくしたい。
できるだけ安くいきたい。
いろいろな要望がありますよね。
たまたま電車アプリで調べていたけれど、
もしかしたらタクシーの方が早いかもしれないし、
シェア自転車の方が早いかもしれない。
複数のアプリを使ってそれを比較検討するのは
とても大変ですよね。
そういう複数の交通手段を横断的に調べて
経路や交通手段を提案してくれる、
今、そういうサービスが開発されています。
『MaaS』(マース)と呼ばれるシステムです。
Mobility as a serviceの略です。
電車、バスはもちろん、
シェアサイクル、タクシー、レンタカーなどを
横断的に検索してくれて、
最速、最安、乗り換え少ないなど、
いろんな条件で提案してくれるサービスです。
これ、すごいですよね。
Google Mapもこれに近い方向性に進んでいます。
また、もうこれは現在進行形の革命ですが、
Uberね。
昔はお店が見ず知らずの個人に配達を委託するなんて
考えられなかった。
その不安をデジタルの力で解決し、
新しいシステムを作り上げたのがUber Eatsです。
これによってデリバリー文化が
革命的に広まりました。
Uberというのはもともと
個人タクシーの仕組みで、
日本は規制が厳しくてUberは認められていませんが、
近いうちに認められると思います。
そうすると、
自家用車、電車、バス、タクシー、自転車ぐらいしかなかった
交通手段にUberやシェアリング自転車という
新たな交通手段が加わります。
しかも、これらが全て、
アプリひとつで検索、予約、支払いができるようになります。
流通の面でいうと、
先日、アメリカではドローン配送が一部実用化されたという
ニュースが流れました。
また、自動運転のシステムも各自動車メーカーが
しのぎを削って開発競争中です。
2)OMO
続いての変化はOMO。
この言葉については後ほど説明します。
先ほど挙げたUber Eats。
Uber Eatsの革新的なところは
個人によるデリバリーシステムを作ったというところだけではありません。
今まで『絶対的なリアルビジネス』だった
飲食業をオンライン化、デジタル化したところです。
オンラインで商品を見て、
オンラインで注文して、
オンラインで支払いができる。
あとは食べるだけです。
お店に出かけて、
席に座って、
商品を選んで、
店員さんに声をかけて注文して、
食べて、
現金で支払いするという一連の流れの中で、
「食べる」という行為以外
すべてをデジタル化しています。
これが普及してくると、
食べるところ以外はデジタルというのが
当たり前の社会になっていきます。
例えば、
中国ではコーヒーも
アプリで注文して、決済することができる
ラッキーコーヒーというお店があります。
あとは、通勤途中に受け取りたい人は
お店で受け取る。
職場で受け取りたい人は職場にデリバリーしてもらう。
今までの飲食といえばお店で食べるしか選択肢がありませんでしたが、
アフターデジタルの社会では
デリバリー、テイクアウト、イートイン
自分の気分や都合に合わせて
さまざまな選択肢を取ることができるようになります。
そうすると、
ユーザー側からすると、
リアルかデジタルか、
そこにあまり壁がなくなってくるんですね。
出かける用事があれば
リアル店舗に寄るし、
出かける用事がなければ宅配してもらう。
つまり、オンラインとオフラインの間に
壁がなくなってくる。
これをOnline Merge Offline(オンライン・マージ・オフライン)と言います。
マージとは混ぜるという意味ですね。
その一番すごい形が中国のオンラインスーパーマーケット『フーマー』です。
リアル店舗としては見るだけでも
これからの時代は
オンライン化を超えて、OMOの時代。
ショッピングにしても、
サービスにしても、
リアルありき、オンラインありきじゃなくて、
その時々で、自分に都合の良いサービスを選ぶだけ。
そういう時代になっていきます。
3)検索からレコメンドへ
その次の変化、それは
「検索からレコメンド」に変化するということです。
みなさんは今まで何かを買いたい時、
Amazonとかで検索して買っていましたよね。
何か知りたい時、Googleで検索していましたよね。
これは2000年代から2010年代まで、
世界は『検索』によって支配されていました。
マーケターたちは
ネットショップ、ブログ、アプリ、サービスが
いかに検索されるかということに全力で取り組んでいました。
ところがここ数年この流れが大きく変わっています。
検索に変わる新しいシステム『レコメンド』
というシステムが登場したのです。
レコメンドというのは簡単にいうと、
「おすすめ」のことです。
皆さん、YouTubeでおもしろい動画を探す時、
どうやって探しますか?
最初は検索かもしれませんが、
そのあとはだいたい、関連動画とか、おすすめ動画をたどっていきますよね?
そういうことです。
このレコメンドシステムで天下をとりつつあったのが
TikTokですね。
Amazonとかでも、おすすめ商品とか、ついつい見てしまいますよね。
じゃあ、この『おすすめ商品』は
どういう仕組みで表示されているかというと
それはあなたの行動履歴です。
あなたがなにを検索して、
なにを何分見て、なにを買ったか、
どのページを何回クリックしたか、
そういう行動データに基づいて、
「この人はこういうものに興味を持つはずだ」
とAIが判断して、提案しているんですね。
ちょっと前に
「TikTokは水着の女の子が踊ってる動画ばかりだからどうかと思う」
と怒っていた人がいたんですが、
いや、それはTikTokが悪いんじゃなくて、
あなたがそういう動画ばっかり観てるから表示されるんだよっていうことなんですよね。
口では「けしからん」と言いつつ、
行動データからあなたの欲求や深層心理がわかってしまうということです。
これまで、ネットで何か売ろうという時
「検索」というユーザーの自発的な行動を待つしかありませんでしたが、
レコメンド機能が発展してくると、
なんとなくアプリを使っているだけで
AIが「あなたのほしいもの」を予想して「勝手に」提案してくれる時代になっていきます。
4)AI×ビッグデータ
このレコメンドの中でめちゃくちゃ重要なのが、
行動データです。
例えば、新聞の折込広告を出すとするじゃないですか。
あれって居住地を区切って商品を提案しているんですが、
同じ静岡市に住んでいる人でも
興味関心やほしいものなんて違うに決まってるじゃないですか?
非常に精度が低いですよね。
それに対して、
SNSやYouTube、Amazonの広告はその人の行動データをもとに
広告を打つことができます。
例えば、30代、男性、静岡在住だけでなく
これくらいの頻度でSNSを使っていて、
こういうコンテンツを見ていて、
こういうものを買っている。
こういう行動データをもとに、
AIが
こういう人はおそらくこういう商品に興味を持つだろう。
こういう広告を打つとだいたい何%の確率でクリックする。
というのを判断するんですね。
yahooがTポイントカードを合併したり、
PaypayとLINEpayを統合しようとしているのは
このためです。
支払い情報という超重要な行動データを握るため。
その人が、いつ、どこで、なにを買ったか?
その情報があると、この人は次になにを買うか?
なにに興味を持つかが分かり、
商品の提案をしやすくなるということです。
このように、これからの時代は
AI×ビッグデータをにぎった企業が勝つと言われています。
GAFAが一人勝ちを続けているのは
これをにぎっているからです。
世界はどうなるのか?
さて、GAFAの話題が出たところで、
最後に世界情勢について。
現在、世界の株価時価総額ランキングは
GAFAMと呼ばれるアメリカテック企業、
つまり、
Google
Amazon
Facebook
Apple
Microsoft
が上位を占めています。
じゃあ、これらの企業がアメリカにものすごい
恩恵を受けて豊かになっているかというと
そういうわけでもありません。
こういうグローバル企業は海外に本拠地を置くなどして
巧みに節税対策を行っています。
また、アメリカの他の企業の成長を疎外しているとか、
小売店を潰した割に、雇用は確保していないというような
問題点が指摘されています。
このため、共和党からも民主党からも
GAFAを敵視する声は上がっています。
マイクロソフトについては1990年代から2010年代まで
ずっとアメリカ政府からいじめと言っても良いような
仕打ちを受け続けてきました。
最近ではGAFAのCEOたちが議会に呼び出されたというのも
大きなニュースになりました。
しかし、そういうしているうちに
アメリカにとって新たな敵が現れ、
そんなことも言っていられない状況になりました。
新たな敵とは
中国テック企業です。
トランプ大統領は
中国のテック企業をアメリカから排除しようと
かなり強硬な手段をとっています。
中国テック企業は
GAFAとも対立しつつあります。
Appleはテンセントが運営するフォートナイトを
Apple Storeから締め出し、訴訟まで起こしています。
おそらく
これから10年ぐらいは
アメリカ政府(および西側諸国)
アメリカと微妙な関係にあるGAFA
そして中国テック企業の三つ巴の争いが続いていくことと思います。
日本や西側諸国はこの対立に翻弄されるしかありません。
そういう世界情勢の中で、日本は少しずつ
アフターデジタルの世界へと移行していくものと思われます。
なぜ日本は15年遅れたのか?
冒頭でも言った通り、
日本のデジタル化は10年〜15年遅れていると言われています。
なぜこんなに遅れてしまったのかというと、
3つ理由があると思います。
ひとつは人々の意識です。
「デジタルはめんどくさい」
「スマホなんて遊び」
「ゲームなんてやってたらバカになる」
「仕事中にスマホを使うな」
と本気で思っていた経営者や管理職、人々の意識が
日本のデジタル化を大きく遅らせました。
例えば、
キャッシュレスひとつにしても
欧米人や中国人が「これはビジネスチャンスだ」と捉えて
ガンガン参入していったのに対し、
日本の小売店、飲食店なんかは
「よくわからない」
「難しい」
「めんどくさい」
終了、という感じです。
もうひとつは教育です。
学校はデジタル分野で陸の孤島のように
全くデジタル化が進んでいません。
そういう中で仕事をしている先生方が
進めるICT教育なんて(笑)ですよね。
ICT教育はもちろんですが、
英語教育の失敗の影響もかなり大きいです。
ひとつは言語障壁です。
英語が苦手な日本人は、英語圏の国々に比べて、
IT分野においてスタート地点から不利です。
先ほども言ったように英語教育の欠陥による
日本人の英語コンプレックスは深刻で
これがプログラミング分野での人材育成を阻んでいます。
つまり、英語教育にしても、学校教育にしてもそうですが
教育改革、そしてIT分野で活躍できる人材の育成が急務なのです。
補足
アフターデジタルの世界を理解する上で、
AIとビッグデータについても
理解しておく必要があります。
補足として、その2つについて説明しておきます。
1)AI
AIとはArtificial Intelligenceの略で、一般的には人工知能と訳されます。
AIには大きく分けて2種類あります。
ひとつは、人間のようにいろんな状況に対応して、考えて、実行できる汎用性の高いAI。
これを汎用人工知能といいます。
それに対して、ある特定の用途や専門分野に特化したAIのことを
特定用途向けAIといいます。
今のところ実用化されているのは
特定用途向けAIです。
例えば、囲碁や将棋をやるAIとか、
翻訳とか、
自動で色付けするとか、
交通ルートを提案するAIとかですね。
AIが何かを判断できるようにするためには
大量のデータが必要になります。
人間のように道の状況について
その場で考えて対応することができないからです。
滅多に起こらないような事象も含めて、
大量のデータを読み込んで、処理して学習し、
そしてそれをもとに判断する、それがAIです。
なので、
AIとデータというのは表裏一体なんですね。
単独でAIというものが存在して、
なんでもわかったり、なんでもできたりするようになるわけではないということです。
2)データ
AIが学習するための材料となるのがデータです。
このデータが良ければ良いほど、豊富であればあるほど
AIの学習は効率化でき、判断の精度は上がっていきます。
その中でよく耳にする言葉が『ビッグデータ』という言葉ですね。
ビッグデータというのは
ただ単に「大量のデータ」という意味ではありません。
さまざまな種類の、さまざまな頻度の、
大量のデータという意味です。
つまり、
「名前」と「年齢」だけの名簿のようなデータが
めちゃくちゃ大量にあったとしても、
それはなんの役にも立ちません。
そうではなく、
そういうプロフィール的なデータに加えて、
購入履歴、支払い履歴、
検索履歴、閲覧履歴、
移動データ、つながり、評価など
さまざまな種類のデータをつなぎ合わせて
はじめて価値が生まれてきます。
例えば、
ネットショップを例に出して考えてみましょう。
ある人がネットショップで何か購入すると、
それがデータとなってAIに蓄積されます。
で、その大量データが溜まっていくと、
どこに住んでいる、何歳の人で、こういうものを買った人は
恐らくこういうものにも興味があるだろう、
という傾向が見えてくるんですね。
そうすると、
ネットショップを開いた時に
「おすすめ商品」として、ちょうどその人がほしそうな商品が表示される。
その商品を見て、その人がそれをクリックすれば
「やはりこういう属性の人は、この商品に興味を持つのだ」
とAIは学習する。
もしクリックしなければ
「この属性の中にも興味を持たない人が何%いる」
と学習する。
こういう学習していくとどんどんその精度は上がっていくんですね
つまり、これからの時代、
ビッグデータを握り、AIによって
それを活用できた企業が勝ち残るということです。