みなさん、
公務員ってどう思います?

「安定していてうらやましい」
と思う人もいるでしょう。

それに対して
公務員と聞いただけで反射的に
「給料泥棒」とか「無能」と
イメージする方もいます。

いろいろなイメージがあるとは思いますが、
じゃあ実際、公務員ってどうなの?
これから不況になると言われているけど
公務員ってそれでも安泰なの?

今日は元公務員の私が、
そんな疑問にお答えしたいと思います。

 

私は元教員で、元公務員ですし、
公務員、元公務員の友人もたくさんいます。

なので、一般の方よりは
公務員の現状とこれからについて
わかっているのではないかと思います。

今回のテーマは公務員なんですが、
これ、多くの大企業や公務員に近いような仕事にも
共通する内容です。
なので、
公務員になりたいなーという方はもちろん
そうでない方にもお役に立てる内容になっていると思います。

 

このブログでは「好きを仕事に自分らしく生きる」をテーマに、
ビジネスや社会システムに関する記事を配信しています。

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ちなみに、
以前、『公務員はオススメしない』という動画を出したんですが、
その際には現職の公務員と思われる方から
かなり口汚く罵るアンチコメントがたくさん寄せられました。

その件については最後の方で取り上げますので、
ぜひ最後までご覧ください。

 

公務員の現状

まずはじめに公務員の採用や
公務員の仕事の現状についてお話しします。

 

倍率は下がっている

まず、公務員試験についてなんですが、
自治体や業種ごとに違いはあるかもしれませんが、
全体的に見ると公務員の採用倍率は下がっています。

https://resemom.jp/article/img/2017/02/03/36327/158607.html

なぜかというと、
志望者数が減り、
逆に採用者数は増えているからです。

 

なぜ志望者が減っているかというと
やはりそれなりに景気が良かったということでしょうね。

コロナ以前は。

あと、もちろん少子化も影響しているかもしれません。

 

ではなぜそれに対して
採用数が増えているか?というと、
退職者が多いからです。

ポスト団塊世代が続々と退職しているからです。

 

バブル期に就職した世代ですね。

公務員の数は条例等で決められていますから、
退職者が増えれば採用者数が増えます。

ということで、
近年は公務員試験、教員採用試験の倍率は
年々低下していました。

ただ
もしかしたらコロナショックでこの流れも変わるかもしれません。

 

年齢層が二極化している

そういう中で公務員の職場でどういうことが起こっているかというと、
年齢層の二極化が起こっています。

つまり、50代後半の職員と
20代の職員が大量にいて、
30代、40代の職員が少ない、という現象です。

なぜかというと、
30代後半〜40代の人たちは
就職氷河期に就職した世代だからです。

この時代、どこの職場でも最大限に採用を絞っていたため、
公務員に限らずどこの職場でもこの世代は少ないです。

そのため、「ロスジェネ」(ロストジェネレーション)
つまり、『失われた世代』と呼ばれています。

私はそのロスジェネの最後の世代ぐらいなんですが、
私が採用された時、
一番歳が近い先生は10歳上の先生でした。

つまり、私のちょっと上の世代が全然いないんです。
どこの職場でもそうでした。

そして、
採用されてからしばらく、どこの職場でも若手でした。
若手が採用されないからです。

つまり、今の30代後半から40代は
どこの職場でも少ないんですね。

そして、ここ6年ぐらい前かな、
急に若手が採用されはじめました。

 

そうすると、
上は退職間近のポスト団塊世代がたくさん。
下は採用されたばかりの20代がたくさん。

その間の世代は少ない。
という事態がいろんな職場で怒っています。

 

IT化は遅れている

コロナでより一層進んでいるIT化ですが、
公務員の世界はIT化はめちゃくちゃ遅れています。

公式な文書は手書きじゃないといけないとか、
ハンコ文化、紙媒体文化、根強く残っています。

出席簿ってあるじゃないですか?
あんなんパソコンでやれば一瞬なのに、
公簿だからという理由でいまだに手書きでチマチマ書いてたりするんですよ。

一見、デジタル化しつつあるんですよ。

でも例えば、
ipadで撮った写真をいちいち印刷して
回覧しなきゃいけないとか、
手書きで出された文書を誰かが手打ちで入力してるとか、
職員用のパソコンはインターネットつながってないとか、
そういう『見せかけのデジタル化』がめちゃくちゃ多いです。

コロナ問題では
保健所からFAXで送られてきた陽性者のデータを
自治体が手入力で集計しているという著しく非効率な仕組みが露呈しました。

そこに何人の職員を割いていたのか知りませんが、
これは明らかな税金の無駄遣いです。

 

減った仕事もあるが増える仕事も多い

IT化が進んで便利になったり、
楽になった仕事もたくさんあります。

でも、その分増えた仕事も多いです。

例えば、
市内でなにか不祥事が起こったり、
クレームが来たりすると、
行政はそういうのに弱いですから、
「再発防止」とか言って、
すぐにチェックリストだの、
いちいち報告書を出せだの、
対策員会を組織して話し合えだの、
そのたびに仕事は増えていきます。

で、こういうのって
「もう来月からはやらなくていいよ」
とは絶対にならないんですね。

ずーっと積み重なっていく。

で、その上にさらに
仕事が重ねられていきます。

 

 

また教員だったら少子化で生徒数が減っているので
楽になっているんじゃないか?という人もいますが、
それは間違いで、生徒が減ったら教員数も減らされます。

そうすると、1人の先生が生徒会も、部活の顧問も、
学級担任も、部署のリーダーもやらなきゃいけなくなる。

部活のあり方も社会問題になっていますが、
こういうのも基本減らないんですよね。

 

生徒が1,000人いた時代に10個の部活がありました。
それが500人になって、教員数が半分になっても、
部活は減らせないんですよ、なかなか。

私は生徒会活動とか部活動をとりまとめる部門のリーダーとして
2校で部活削減のプロジェクトに携わりましたが、
本当に大変でした。

例えば、
野球部に2人しかいないくても
野球部をなくせないんですね。

なんでかっていうと、
地元の有力者やOB、保護者からクレームが来るし、
生徒の気持ち考えろと言われる。

行政はそういう声にめっぽう弱いので、
簡単には無視できない。

 

今は部活を例に挙げましたが、
そのほかの行政機関でもだいたいこんな感じで
やることは年々増えていくんだけど
なかなか減らせないという状況におちいっているようです。

 

 

仕事に偏りが生まれる

公務員組織ってある意味で
共産主義的だと思うんですよね。

働こうが働くまいが給料はもらえる。
生活が保障されている。

がんばろうががんばるまいが、
給料の上がり方もだいたい同じ。

ソビエト連邦は共産主義の仕組みを取り入れた結果、
労働意欲を失う人が増えて、国力が低下したと言われています。
がんばってもがんばらなくても国が給料をくれるんだったら
がんばらない方が得ということですね。

 

 

公務員になる人は、
基本的にはマジメで志が高い人が多いです。

ドラマとかで描かれているような
陰湿で、利己的で、自分勝手な公務員はいません!

…とは言えないですね笑
いますね。

いますが、まぁ多くはマジメな方です。

 

なので、この共産主義的なシステムでも成り立っていますが、
基本的にはこのシステム

「やらないもん勝ち」

なんですね。

 

つまり
「私は家の事情で残業できないし
 病弱だから大変な仕事は無理です」

と言い切って毎日17:00に帰ろうと思えば帰れる。

毎日残業したからと言っても
残業代が出ない仕事もあります。

 

そして管理職からしたら、
そういう人に無理やり仕事を振ることはできないんですね。

なんでかっていうと、
無理やりやらせて、それでめちゃくちゃになっちゃったら
困るのは周りだし、責任取るのは自分だから。

仕事をしない本人は
それで給料が下がることもないし、
クビになることもありません。

 

つまり
「無理です」
と言ったもんがち、
仕事しないもん勝ち。

残念ながらそういう状況になってしまっています。

そうすると、
ある程度がんばってくれる人に仕事が偏ることになります。

 

妖精さん問題は深刻

そういう状況の中で生まれているのが
「妖精さん」と呼ばれる人たちです。

50代後半の仕事ができない職員のことで、
朝しか姿を見かけない。

日中はなんか仕事をしてるんだろうけど、
どこでなんの仕事をしているのかはよくわからない、
という人たちの存在です。

「喫煙所にいる確率が高い」

「よく電話をしているが、誰となんの電話をしているか不明」

という声もあります。

上司としてはこういう人たちに仕事は任せられないので、
誰でもできるような簡単な仕事を申し訳程度に与えています。

これは公務員に限らず、
社会全体で問題になっています。

 

公務員の仕事はこれからどうなるか?

さてでは公務員の仕事はこれからどうなっていくか?

ということですが、大きく2つの変化が予想できます。

 

1)デジタル化が進む

ひとつ目はデジタル化が進むということです。

世の中全体がもうそういう流れなので、
公務員の世界も次第に、しぶしぶ変わって行かざるをえないでしょう。

 

FAX

手入力

ハンコ文化

紙媒体文化

などは、
コストとして消されていくでしょう。

そこに人員や物、
公務員の時間を費やしているのですから
税金の無駄遣い以外の何物でもありません。

 

オンライン化、デジタル化を進めれば
明日からでもこの辺の手間は省くことができます。

 

デジタルに強い人がトップに立ったら
一気に変革して、その流れがだんだんと広がっていくと思います。

 

 

2)財政状況により採用人数が減る可能性は高い

2020年、東京都の採用人数が大幅に減ったということで
話題になりました。

これは、オリンピックに向けて増やしていたのを
通常に戻したということらしいんですが、
つまりは自治体の状況によって、
採用者数は増えたり減ったりするということですね。

財政状況によっては今後、
採用人数が減っていく可能性があるわけです。

教員なんかは少子化によって必ず減っていきます。

 

 

これからも安定か?

さて最後に。公務員は安泰か?
というこですが、

私としては「安定はしているがおすすめしない」と思っています。

公務員は不祥事を起こさない限り、
どんなに仕事ができなくてもクビになることはありません。

なので、
安定はしています。

 

でも、
給料はそんなに高くはないです。

そして、書類上は給料はだんだん上がっていきますが、
手取り金額で見ると、あまり上がらないという人もいます。

なぜなら色々と天引きがあるからです。

まず積み立てとか、保険とか、ローンとかもあるんですが
大きいのは社会保険料です。
厚生年金と健康保険ですね。

厚生年金や健康保険は天引きで、
文句を言っても嫌でもなんでも強制的に引き抜かれるので、
税金を上げないかわりに、これがどんどん引き上げられています。

でもサラリーマンの多くは上がっていることに
気づきもしません。

あと累進課税なので、
給与額が増えると所得税額も増えていきます。

なので、給料が上がっているという実感が少ないまま歳を重ねていきます。

 

そして、職場の中では仕事量に大きな偏りがあります。
仕事ができない人の分の仕事を、
若手や優秀な人がカバーしています。

これから不況になって採用人数が絞られていくと
この傾向はますます顕著になっていきます。

 

ということで、
クビにはならないの安定はしているけど
先細りで、上昇している感が少ない。

ので、あまりおすすめはしませんよ、ということです。

 

ブチ切れる公務員

余談になるんですが、

以前、『公務員はオススメしない』という動画を出したんですが、
「お前は何を知っとんねん」
「私の周りの公務員はパソコン使えない人なんていない」
と口汚く罵るコメントが寄せられました。

あのーもうそういうコメントしてくる時点で
勝敗は決してると思うんですよね。

ITリテラシーがある優秀な社会人は
こんなところでアンチコメントしたりしませんから、
アンチコメントすることによって
期せずして公務員として、というか、
社会人としての無能さを露呈してしまうという
非常に残念な結果を招いてしまっている。

まぁそういう人は公務員に限らずいますからね、
別に私も気にしてはいないんですが。

 

 

はい、ということで、
今回は公務員はこれからも安定か?

というテーマでお送りしました。