中国がすごいみたいな話をするとそれだけで
「お前は中国の犬だ!」
みたいにものすごい剣幕で言ってくる
アメリカの犬みたいなおじさんがいて、
このチャンネル登録者数もガクッと減るんですが、
いやもうそんなことを言ってる場合じゃないほど
中国の勢いがすごいんです。
中国が良いとか、悪いとか、
そういう次元の話じゃなくね。
だから
ちゃんとした情報をみなさんにもお伝えしたい、
ということで、今回は
「中国はほぼ世界を手中におさめている?」
というテーマでお送りします。
このブログでは「好きを仕事に自分らしく生きる」をテーマに、
ビジネスや自己啓発、社会システムに関する記事を配信しています。
ビジネスやこれからの社会について興味あるよという方は、
ぜひ定期的にご覧ください。
それからYouTube動画の高評価、コメントもよろしくお願いします。
あと最近ではYouTubeのサブチャンネル、TikTokもはじめていて、
そちらも大好評なのでぜひそちらのフォローもよろしくお願いします。
情勢を見誤るな
日本人はちょっと前まで中国に対して
「冷凍肉まんにはダンボールが入ってる」
「トイレは仕切りがない」
というようなイメージを持っていました。
今もそのイメージのまま止まっている人もいます。
段ボール肉まん事件は2007年なので、
お年寄りからしたら最近の出来事ですからね。
でも、世界は日々変化しています。
2010年には中国は世界第2位の経済大国になりました。
まぁこれは多くの人はもう知っていると思いますが、
当時は衝撃的なニュースでしたね。
私は元教員で、音楽と社会科の免許を持っていて、
社会科を教えていたんですが、
それまでは世界第2位は日本。
中国は発展途上国、世界の工場と教えていたんです。
それが2010年のある日から
「中国は世界第2位の経済大国」と教えることになった。
でも最初の頃は先生方も
あまり信じていませんでした。
そうは言っても中国なんてまだ発展途上国だろうと。
どーせトイレには仕切りがないし、
空気は汚いし、食品は危ないに決まってる。
もしかしたら統計データを改竄しているんじゃないか?
とすら思われていました。
ところが2015年頃になると、
その経済発展を象徴するかのように
中国人が日本にドンドン旅行しにくるようになりました。
そして流行語になったのが『爆買い』です。
その頃もまだ
「中国人はマナーが悪い」
「大声でしゃべっていて嫌だ」
と、かなり嫌われていました。
ところがですよ、
それがいつの間にか『インバウンド』なんて呼ばれて、
どこの観光地でも中国人観光客ありきの商売が行われるようになり、
いつの間にか観光業界は
「どうやって中国人を呼び込むか」を躍起になって考えるようになりました。
2007年にダンボール肉まんの事件が起こってから、
たったの10 年でこれだけの変化ですよ。
そしてさらにここ数年で
世界一のIT先進国にまで登り詰めています。
ところが、こういう変化に全くついていけない人たちもいるんですね。
15年前の中国像から抜け出せない人。
歴史問題とか、政治問題のせいで
感情的に中国を嫌っている人が多いです。
そういう人たちが
「中国なんてけしからん!
日米同盟を強化せよ!
アメリカ万歳!」
なんて叫んでいる間に
世界の勢力図は大きく変わってしまいました。
中国がさまざまな問題を抱えているのは確かです。
香港問題、ウイグル問題、
そしてもう多くの人が忘れかけているチベット問題にも
私は心を痛めています。
でも、だからと言って中国を見下して、
あんな国はぶっ潰しちまえとか
縁を切った方がいいなんて
幼稚なことを言ってたら、
逆に日本がぶっ潰されてしまいます。
中華経済圏ができている
Wikipediaより
それを念頭に置いて、この地図を見てください。
冷戦下の勢力図ではありません。
これは中国が抱える経済圏構想に参加している国の地図です。
つまり中国が強い影響力をもつ中華経済圏が
世界でこれだけ拡大しているということです。
これ、
欧米以外のほぼ世界中を手中に収めているといっても過言ではないですよね。
参加していない国は
アメリカ、カナダ、南米、西ヨーロッパ諸国
中国と対立しているインド。
そして日本。
我々が「中国人はマナーが…」なんて議論をしている間に、
いつの間にか中国はこんなにも
勢力を拡大しているんです。
中国の一帯一路構想
wikipediaより
この中国の経済圏構想、
『一帯一路構想』と言います。
一帯とは、中国から陸路でヨーロッパまで繋がる『シルクロード経済ベルト』、
一路とは、中国から東南アジア、アラビア半島、アフリカまでつながる『海上シルクロード』のことです。
英語では
The Belt and Road Initiative, BRI
One Belt, One Road Initiative, OBOR
昔、中国からヨーロッパまでつながるシルクロード=絹の道というのがあって、
中国の絹がヨーロッパに輸出されていたよ、なんて歴史の授業で習いましたよね。
それを現代に復活させようという
壮大な構想です。
具体的には、この一帯一路でつながる地域に
道路や鉄道、港をつくって交通の基盤をつくったり、
発電所、パイプライン、通信設備などのインフラも整えて、
この地域全体の産業、交易を活性化していこうという構想です。
これらの地域に道路や港湾、発電所、パイプライン、通信設備などインフラ投資を皮切りとして、金融、製造、電子商取引、貿易、テクノロジーなど各種アウトバウンド投資を積極的に進め、当該経済圏における産業活性化および高度化を図っていくプログラムのことである。
これはインフラ計画としては史上最大規模のもので、
中国の建国100周年に当たる2049年までの完成を目指しているそうです。
この構想に先立って
2011年、中国と欧州を結ぶ貨物鉄道「中欧班列」が運行開始しています。
中国・重慶とドイツを結ぶ貨物鉄道です。
2018年には年間6,300本もの貨物列車が行き来したそうです。
各国の反応
こういった中国の動きに対して、
各国はどう反応しているのか?
2017年には、北京市で一帯一路国際協力サミットフォーラムが開催されました。
国連のグテーレス事務総長をはじめとする、各国際機関、
ロシアのプーチン大統領ら29カ国の首脳陣、
そして、世界130カ国超の代表団がこれに参加しました。
2019年にはそれを超える規模で、第二回目のフォーラムも開催されています。
しかし!
アメリカを中心とする西側諸国、
G7は閣僚級を 出席させて首脳のほとんどは欠席。
出席したのはイタリアの首相だけでした。
イタリア、ギリシャは中国との経済的な結びつきが強くなっている国です。
ギリシアは経済危機問題で、イタリアはコロナショックで、
EUに恨みを持っています。
そこに手を差し伸べてきたのが中国だったのです。
でも、EUやアメリカからしたら
「おいおい、お前らこっちの仲間じゃなかったのか?」
ということで、この動きにとても腹を立てています。
アメリカについては、トランプ大統領は
2017年東アジア訪問の際に、一帯一路構想とともにインド太平洋構想の支持を表明しています。
これはなぜかというと、
一帯一路の中心地域である中央アジア(カザフスタン、ウズベキスタンなど)は
もともとロシアの影響力が強いところで、
アフリカはもともとヨーロッパ諸国の植民地。
アメリカの入る余地がない地域だからです。
だから、特にアメリカ・ファーストのトランプ大統領からしたら
できれば関わりたくない。
勝手にやってくれという地域なんですね。
ところがこれに対して、グローバリストのペンス副大統領が怒るわけです。
そんな影響もあって、
また米中対立が激化していることもあって、最近は一帯一路構想に対して厳しい姿勢をとっています。
日本はまぁほぼアメリカに追従。
インドは反対。
インドとロシアは友好国なんですが、
ロシアはインドに対して「協力しろ」と言っているようです。
発展途上国が借金を背負って利権を失う
この一帯一路構想、
大きな問題点も指摘されています。
一帯一路参加国は港をつくったり、
鉄道をつくったりしていくんですが、
その費用はどうするかというと、中国が貸してあげるんですね。
で、中国企業が工事して建設する。
で、借金の返済に困ると、
その利権を中国が押さえてしまう。
こういう構造になっています。
パキスタン、スリランカ、ミャンマー、キルギスをはじめ
各国でそういう例があるようです。
これは植民地支配と変わらないんじゃないかということで
問題になっています。
アメリカのペンス副大統領はグローバリストで、
『アメリカは世界の警察』と考えている人ですから
中国のこういう動きは絶対に許せない。
だから、
「アフリカの皆さん、中国にだまされてはいけない!
支援を受けたら最後。借金づけにされますよ。
アメリカはあなた方に対してもっと良い支援をしますよ」
とアフリカ諸国に呼びかけています。
逆に中国側からすると、もうメリットしかない仕組みなんですね。
中国は北京オリンピックに向けて
国内の第二次産業がどんどん成長していったんですが、
オリンピックが終わったらその行き場がなくなっちゃった。
それで国外に進出したいという目論見もあります。
建設段階で儲かるのはもちろんなんですが、
最終的にも「みんなで経済盛り上げましょう!」と言いつつ、
その中心で一番儲かるのも中国。
そういう仕組みです。
ところが、「それでも中国に支援してほしい」という国が
アフリカにはたくさんあるんですよね。
なんとかして自国を栄えさせたい。
でも、お金も技術もない。
だから、中国のお金と技術を借りて、
バーンとでっかい箱をつくりたい。
それで一気に経済を盛り上げたい。
そういう思惑を持って、中国の動きを歓迎している国も多いようです。
覇権国家はアメリカだけではない
中学校の社会科の授業で
『冷戦』ってみなさん、習ったと思います。
世界がアメリカ陣営と、
ソビエト陣営に分かれて対立していった
あの冷戦です。
冷戦は1989年に冷戦は終結していますが、
私たちは未だに、アメリカ陣営に属していて、
アメリカ陣営の世界観の中で
物事を見ています。
日本人はまずそのことを理解しなければいけません。
私も含めて日本人の多くは、
中東はなんとなく怖い
アフリカはマサイ族、
そして
中国は共産党が支配する汚くてマナーが悪くて恐ろしい国。
ヨーロッパはもっとも理性的で進んだ地域。
アメリカは世界一の大国。
欧米以外は遅れた野蛮な地域だと思っている。
それはまさしく欧米の世界観なのです。
実は世界にはアメリカ以外の覇権国家、
つまり近隣諸国を支配して、
あわよくばその地域の覇権を握ろうと
虎視淡々と狙っていく国がたくさんあります。
各地域の文化圏の盟主のような存在です。
ドイツ〜北欧、中央アジアに影響力をもつロシア、
中東・アラブ諸国を束ねるサウジアラビア、
南アジアで独自の文化圏をインドもそうです。
そして、東南アジア〜東アジア、満州を支配し、
アフリカをもその配下に置こうとしている中国。
こういった国々は
あの手この手で近隣諸国への影響力を拡大していき、
いつかは自分の支配地域から欧米を叩き出してやろう。
そう思っている国々です。
これらの覇権国家は
独自の文化圏や経済圏をつくっています。
かつてはその最大勢力はソビエトだったわけですが、
今は中国です。
そして、中国の後ろには、
ロシア、サウジアラビアなどの国々も隠れていて
一緒になってアメリカの没落を目論んでいるのです。
その策略のカギとなるのが、
一帯一路構想なのです。
ということで今回は
「中国はほぼ世界を手中におさめている? 〜一帯一路戦略とは?〜」
というテーマでお送りしました。