コンピュータに支配された世界で、
人間は仮想現実を見続けている。
これは人気映画『マトリックス』の世界の話ですが、
実は皆さん、今、人間がコンピュータの下請けに
なりつつあるって知ってましたか?
コンピュータに支配されてると言っても
過言ではないかもしれません。
え?
どういうこと?
と思いますよね。
これ、落合陽一さんの『働き方5.0』という本の中に書いてあることなんですが、
今回はこの本の内容を少しだけ紹介しつつ、
これからの働き方や
仕事消滅時代を生き残る方法について考えてみたいと思います。
前半では今、仕事がどんどん奪われているんだよという話、
後半では人間がコンピュータの下請けになっているんだよという話をしたいと思います。
このブログでは「好きを仕事に自分らしく生きる」をテーマに、
ビジネスや自己啓発、社会システムに関する記事を配信しています。
ビジネスやこれからの社会について興味あるよという方は、
ぜひ定期的にご覧ください。
それからYouTube動画の高評価、コメントもよろしくお願いします。
あと最近ではYouTubeのサブチャンネル、TikTokもはじめていて、
そちらも大好評なのでぜひそちらのフォローもよろしくお願いします。
働き方5.0とは?
今回の動画は単純に『動画5.0』の解説、というより、
それを基にした私、すぎやまの考えと捉えていただけたらと思います。
まずこの本について簡単に説明しますね。
この本のタイトル『働き方5.0』についてなんですが、
狩猟社会を1.0
農耕社会を2.0
工業社会を3.0
情報社会を4.0
とすると、今、また大きな社会変革が起こっているよと。
新しい社会、5.0の社会に生まれ変わりつつあるよという意味が込められているんですね。
その社会とはAIやロボットが進化し、人間とともに働く社会。
これが社会5.0。
これはある意味働き方の革命、働き方5.0と言えるのではないか?
ということです。
この本の著者は落合陽一さん。
落合陽一さんは
東京大学大学院卒業で、
現在はメディアアーティスト、
筑波大学准教授だそうです。
お父様は作家の落合信彦さん。
たぶん40代以上の方はご存知なんじゃないかなと思います。
NewsPicksとかメディアでの活躍もすごいので
コメンテイターみたいな人だと思っている方も多いかもしれませんが、
ちゃんとした学者、研究者でもあります。
なんの研究をしているかというと、
調べたんですが、ちょっと難しくて
文系の私には理解不能でした。
ちなみに今回紹介しているこの本も、ちょっと難しいので、
お勧めはしません。
でも落合陽一さんは本当にすごいイノベーターだと思うので、
ぜひ皆さん注目していてほしいなと思います。
仕事が奪われる?
それでは本題に入って、
最近よく「仕事消滅時代」とか
「AIに仕事が奪われる」とか聞きますが、具体的にどういうこと?
なんで仕事がなくなるの?
ということをお話ししていきます。
コンピュータによって
なんで仕事がなくなっていくかというと、
ひとつめの要因はコンピュータの普及、
つまりIT化によってです。
でも、なんでもかんでもコンピュータに仕事を奪われるかというというと
そうではありません。
コンピュータには得意な仕事と苦手な仕事があります。
では、コンピュータがもっとも得意な仕事は何か?
落合陽一さんはそれについて
「総当たり戦」であると言っています。
つまり、電話帳の隅から隅までサーチして、
特定の番号を見つけるとか。
円周率の計算をするとか。
そういう単調な作業は、人間にできないようなスピードで
しかもものすごく高い精度でその作業をやり続けられる。
なんで、単純な入力作業とか、伝票処理とか、
そういうものは人間にやらせるよりもコンピュータにやらせたほうがよっぽど早い。
なので、当然そういう仕事はどんどん人間の手を離れていきます。
クラウドソーシングによって
もうひとつはインターネットの進化によって、です。
よく「AIに仕事が奪われる!」
みたいな話をすると、
「私はパソコン苦手だから困る、どうしよう」
みたいにいう人もいますが、
パソコン得意な人も、仕事を失う可能性はあるんですよ。
仕事を失うというか、ものすごい価格破壊に悩まされている。
例えば、HP制作とか、デザイナーとか。
IT化とか、デジタルトランスフォーメーションとかね、
バッチリ対応できてそうですよね。
でも、こういう人たちも安泰ではありません。
例をひとつ出しますね。
例えば、会社のロゴとかHPをつくりたい。
昔だったら、知り合いの知り合いとかに地元の業者を紹介してもらって、
ロゴデザインだけで何十万。
HPだったら100万以上かけてつくってもらっていた。
地元のデザイナーとか、HP業者はそれで生計を立てていたんですよね。
でも現在だったら「クラウド・ソーシング」というサービスを使えば
半額以下、下手したら50分の1の金額で作ってくれる人がワンサカいます。
クラウド・ソーシングというのは何かというと
昔、アウトソーシングってあったじゃないですか?
日本語でいうと外部委託ね。
そのインターネット版。
ランサーズ、とか、クラウドワークスというサイトがあるんですが、
そこに登録しているフリーランスのデザイナーとか、WEBエンジニアに
直接仕事を委託できるシステムです。
そこに例えば「10万円でロゴつくってほしい」みたいな依頼を投げると
おそらく一瞬で10人以上から応募があると思います。
本業の人はもちろんですが、
一線を退いて、子育ての合間にちょっと仕事をしたい主婦とか、
美大に通ってる学生とか、
デザイナーを目指している若者とかも応募してきます。
業者っていうのはある種の既得権益ですから、
「うちは値段は張りますが、その分きちんとした品質のものを…」
とかいうんですよね。
でも、発注側からしたら主婦だろうが、プロだろうが、
ちゃんとしたものを作ってくれるならそれでいい。
最終的には発注者が、提案者の過去の作品とか、提案内容を見て、
一番いいなと思う人に仕事をお願いする。
そういうことが可能な時代なんですね。
ちなみに数年前、このクラウドソーシングを使ったWEBライティングが
副業のスーパースターだった時代がありました。
でも、参入するフリーランサー、発注する業者が増えると、
その単価はどんどん下がっていきました。
それに代わって、
2019年ぐらいから最近までは、動画編集が注目されるようになりました。
でも、動画編集でもこの「単価が下がり続ける」という現象が起こっています。
昔だったら動画編集1本3万円とかだったのが、今は1本3,000円でやりとりされています。
さらに、これに加えて、
海外に発注するというケースもあります。
インドとかフィリピンのフリーランスの人に委託すれば
日本のさらに半額〜10分の1ぐらいの値段で仕事を委託することができます。
日本のデザイナーだったら10万円で引き受けるような仕事を
海外のデザイナーだったら1万円で喜んでやってくれたりします。
しかも、クラウド・ソーシングサービスを使えば
お金を騙し取られる可能性も極めて低いです。
この前、友人のピアノの先生が
発表会用のプログラムを作りたいって言って相談してきたんですね。
で、まぁ友だちだし、30分もあればできるような内容だったんで
いいよランチでも奢ってくれればなんて話してたんですけど、
そん時に
「あ、でもこれインドとかに発注すればフツーに2000円ぐらいでできると思うよ」
って言ったら、
「私が発表会のプログラムつくるのに、
インド人とやりとりするとかおかしいでしょ!」
って怒られたんですよ。
でも、実際もうそういう時代ですからね。
そうことで、事務系、単純作業が仕事を失うのはもちろん、
そして専門家も結構厳しい戦いを強いられる時代になっていくよということです。
人がAIの下請けになる日
そういう中で、
一番最初に企業からカットされるのは中間管理職です。
専門職・スペシャリストは単価が下がったとしても必要な仕事だからです。
また、アナログな世界をすべてコンピュータが管理するのは逆にコストが高くなる場合も多いので
事務職とか現場で働く仕事も、一定数は残り続けるからです。
じゃあ、あーしろこーしろと指示を出したり、
ちゃんとプロジェクトが進んでいるかどうか管理するのは誰がやるのか?
それはAIやコンピュータです。
Uber Eatsの仕組み
「そんなことできるわけない」
「機械が人間に指示なんてできるか!」
と反感を持つ方も多いでしょう。
でも、これ
実際にいろんなところでもう導入されてるんですよ。
例えば、
今流行の『Uber Eats』
あれ、配達員に「ここに商品を取りに行って、ここに届けなさい」
と指示を出しているのは誰ですか?
オペレーターじゃなくて
コンピュータですよね。
Uber Eatsの仕組みをご存知ない方のために簡単に説明しておきます。
Uber Eatsは、まず注文者がアプリでメニューを見て、
注文を入れます。
そうすると、システムがお店の方に
「これを何個つくれ」と指示を出します。
同時に、近くにいる配達員に対して
「この配達対応できる人いますか?」
という投げかけが飛びます。
で、早い者勝ちで「私行けます」と行った配達員に対して
「ここに商品を取りに行って、ここに届けなさい」
と指示がいく。
配達員はその指示通りに配達する。
そういう仕組みです。
この一連の流れを管理しているのは
コンピュータ、Uberのシステムです。
もちろん、
不測の事態もあるので、オペレーターもいると思いますが、
オペレーターですらもコンピュータに
「どこどこでトラブルが発生したから電話しなさい」
と言われて、「はいわかりました」と言って動いている。
そして、対応が終わったら
「対応済み」と報告する。
人間がAIの下請けになる
つまり、これ、
人間がAIのいう通りに動くことで成り立っているシステムなんですね。
ここが結構革新なんですよ。
つまり人間がコンピュータシステムを使うのではなく、
人間がコンピュータシステム一部として動くということです。
言ってみれば人間がAIの下請けになっている。
じゃあ、それで人間は
「不当な支配を受けている」
「不当に搾取されている」
と感じるかというと、
そういうわけではない。
むしろUber Eatsの配達員なんて
自由で楽しそうだなとうらやまれているぐらいですよね。
「割りに合わないっすよ〜」なんて言う人もいるけど
本人たちも嫌だったらいつでも辞められるし、
割と楽しそうにやってる。
じゃあ逆にここにコンピュータが介在していなかったらどうなるか?
まず、お客様が電話で注文してきますよね。
お店の側は、忙しい合間を縫って、電話に出て、手を洗って忘れないようにメモして
それでいて
「話が噛み合わない」とか「忙しい時に…」とか「ちゃんと決めてから電話しろよ」とか、
それでストレスが溜まったりする。
逆にお客さん側からすると「なかなか電話に出ない」「スタッフの対応が悪い」
とかで腹が立つこともあるでしょう。
配達するにしても
「どこに行けばいいのか、住所から地図見て調べないといけない」とか
料理ができたタイミングで配達スタッフがちょうど手が空いていないとか、
そこでまたストレス。
届ける時にもお釣りがどうだとか、
皿は取りに来てくれるかどうかとか、
それでまた余計な摩擦が生まれる。
これ、間にコンピュータがいることによって、
全て解決します。
つまり、人間はAIの下請けになるからと言って、
それが必ずしも不幸というわけではないんですね。
むしろ、人間同士だから生まれていた余計なストレスから解放されたりします。
ホワイトカラーは仕事がなくなる
でも、これによって困るのは
中間管理職の人たち、知的労働者、
ホワイトカラーと言われている人たちです。
なぜなら不要になってしまうから。
スキルを持った人、つまりスペシャリストとか専門職は単価は安くなっても必要とされる。
また、ファンがついていれば「その人から買いたい」という人が必ず買ってくれます。
あと、教員とか、弁護士、医者、国家資格系、
クラウドソーシングの影響は受けにくいです。
そして、現場で働く人、最前線で働く人は、
コンピュータシステムの一部として働くことにはなりますが、
これはいなくなりません。
例えば、スーパーの店員さん、工事現場の作業員など。
こういう人たちはヘッドセットとかをつけて、
AIの指示に従いながら、必要な作業をこなしていく形になるのではないかと
落合陽一さんは言っています。
ところが、そうなると
今まで現場でそういう人たちに指示をしていたり、
そういう人たちの実績をまとめて報告したりなんだりしていた
ホワイトカラーの仕事はほとんど不要になってしまいます。
ホワイトカラーと言われていた人たちは
毎日パソコンを使って、といっても、エクセルとワードぐらいだと思うのですが、
IT化の中で仕事をしていますよね。
だから、
「IT化で仕事がなくなる」
なんて言われても
「俺たちは大丈夫だろう」と油断していたと思うんですね。
ところが、
現実は逆でした。
仕事を失うのはあなたたちです。
ということなんですね。
では、ホワイトカラーのみなさんが生き残るためにはどうしたら良いか?
それは
『創造性と専門性をもった知的労働者』
と目指すことだと落合陽一さんは言っています。
『創造性と専門性をもった知的労働者』のことを
『クリエイティブクラス』といいます。
創造性、何かを生み出すというのはコンピュータが最も苦手なところですよね。
そこをカバーできるような知的労働者じゃないと
存在意味がないよと。
パソコンカタカタ、入力仕事してるだけじゃどんどん仕事を奪われてしまうよと
そういうことなんですね。
ということで今回は
【働き方5.0】人間がAIの下請けになる日
というテーマで動画をお送りしました。