このチャンネルのコンセプトのひとつは
「これからの社会を考える」
ということなんですが、
やはりこれからの社会を考えていく上で、
コロナの問題は外せないですよね。
なので、コロナの問題については
「ビジネスの未来を考える」という視点で、
ある程度まとめて、時々配信していきます。
ということで、今回はフィットネス業界について。
もうコロナでものすごい被害を受けましたからね。
今、フィットネス業界がどういう対策を取っているのか?
そして、これからどうなっていくのか?
ということについてお話しします。
フィットネス業界以外の人も
フィットネス業界の現状と未来を考えることによって、
自分の業界にも応用できることがたくさんあると思います。
これね、今回はたまたまフィットネス業界の話だと思ってください。
やっぱ伸びるビジネスマンとか発想が豊かな人って
他の業種から学んでるんですよね。
だからフィットネス業界を例にして、自分のビジネスについて考えるというのは
フィットネス業界以外の人にとってもめちゃくちゃ重要なことなんです。
ということでぜひ最後までご覧ください。
このブログは「好きを仕事に自分らしく生きる」というテーマで、
これからの社会について考えたり、
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名指しで追い込まれたフィットネス業界
ということで、
まず最初にフィットネス業界がコロナショックで受けたダメージについて。
後半ではフィットネス業界のニューノーマルや
どんな取り組みがこれから求められていくかということについてお話しします。
多くのフィットネスジムは3月から休業していました。
約3ヶ月間の休業ですね。
フィットネスクラブは「夜の街」「ライブハウス」と並んで
政府や自治体からたびたび名指しで
「出入りを控えるように」と言われ続けてきました。
西村経済再生担当相も「相当注意を」と呼び掛けていますから、
もう自粛要請とかいうレベルじゃないですよね。
実質、営業できないですよ。
実質的には休業に追い込まれたと言っても過言ではない。
もちろん、クラスターが発生したジムもあったみたいなので、
もうこれは仕方ないといえば仕方ないですね。
なんでジムがそんなに危ない危ない言われるのかというと、
やはり密室で、大人数が集まって運動するからです。
どうしても汗をかくし、
それがしたたり落ちることもよくある。
あとトレーニング器具は複数の人で共有しますよね。
汗でベタベタになった器具を。
そしてこれ完全には消毒できないですよね。
隣にスタッフが張り付いているわけでもないし、
じゃあ利用者が完全にキレイにできるかというとそれも無理。
また、換気についてもそんなにはできないですよね。
換気したら室温調整できないですからね。
特に更衣室とかトイレね。
これは窓開けっぴろげというわけにはいかないですからね。
そもそもできるだけ窓がないようにしている。
そこを裸足や共有のサンダルでペタペタ歩くわけだから、
これはまぁ素人が考えても怖い。
誰かが通るたびに床をすべて消毒することもできない。
最近では
「激しい呼吸」がコロナの感染を広げるんじゃないかという研究もあります。
ランニングマシーンとか、エアロバイクとかね。
息が上がるのは当然ですからね。
また、密室で15分以上運動する場合、
ウイルスの感染リスクが高まるという研究結果もあります。
ということで、スポーツクラブ、ジムはかなり感染リスクが高いと言われ、
国や自治体から名指しで「注意しろ」と言われ続けてきたわけです。
私もボイストレーニングを教えているスタジオで
ダンスとかバレエのレッスンをやってもらってるんですが、
そのスタジオも4月から休業していました。
もう日本全体、世界全体がそういう流れだったので、
もうこれについては仕方ないことですよね。
仕方ないとは言っても、
もちろんこれはフィットネスジムの経営からしたら
大打撃なのは間違いなく、
アメリカではゴールドジムをはじめとした大手ジムも
いくつか倒産に追い込まれています。
営業もできない、だから辞める人も多い、
もちろん新規顧客獲得も見込めない。
固定費はかかり続ける、そりゃ苦しいですよね。
なんとかオンラインレッスンとかでつなぎとめようと努力していたジムも多いようですが、
さすがにお客様の方も3ヶ月間休業なのに月謝だけ払い続けるなんてお人好しはいないわけで
かなりの人が解約してしまったのではないかと思います。
それによって2000万円以上の損失が出たジムもあるそうです。
すごいところではRIZAP。
三月期の決算は60億円の損益だったそうです。
フィットネストレーナーは売上ゼロ
もちろんそこで働いているインストラクター、
トレーナー、パーソナルトレーナーも大打撃を受けています。
こういう仕事って、基本的にはワンレッスンいくらとか、
時給いくらとか、業務委託とかの契約で働いている人が多い。
つまり、休業されちゃったら給料ゼロです。
これね、私みたいなボイストレーナーも全く他人事じゃない話なんですが、
フリーランスの宿命ですよね。
これがいつまで続くかもわからない状況の中で、
相当の恐怖でしたね、本当に。
しかもね、
3ヶ月売上ゼロだからと言って、じゃあ他の仕事を探せばいいかというと
そもそもいろんなお店が休業してるんだから、バイトすらもない。
そもそも面接すらも受けられないですよね。
自分含め、よく生き延びたなと思います。
飽和状態にあったパーソナルトレーニング
なので、この3ヶ月間、雇われのインストラクターは本当に苦しかったと思います。
では、独立してパーソナルトレーニングジムとかを経営している人とかはどうだったかというと、
それはそれでめちゃくちゃ苦しかった。
不特定多数の人間が出入りする大手のスポーツクラブに比べて、
パーソナルとか、少人数制でやっているジムなんかは
消毒も徹底できるし、換気もしやすいので、
感染リスクという面では大きなところよりはかなり低いんです。
でも、かなり窮地に立っている。
それはなぜかというと、これコロナ以前からの問題なんですが、
ここ数年、パーソナルトレーニングジムが結構増えちゃってたからなんです。
フィットネスって、数年おきに流行りのスタイルがあるんですよね。
例えば、10年ぐらい前ですかね。
みんなでやるサーキットトレーニングが流行ったんですよね。
特に女性専用フィットネスね。
その次は加圧トレーニングかな。
で、ここ5年ぐらいはパーソナル。
RIZAPにはじまり、完全個室とかのパーソナルトレーニングね。
これはそれなりに値段は張るんだけど、
その分、マシントレーニングから、体のケア、食事や栄養の指導、メンタルサポートまで
マンツーマンでトレーナーが指導してくれるというやつですね。
女性なんかはね、
一人で歯を食いしばって黙々とトレーニングするのはキツ胃から続けられないけど、
イケメンのトレーナーさんが横にいて
サポートしてくれて、励ましてくれたりすると、
それ目当てに続けられるなんて人も結構いるみたいですね。
結局それかよという感じですが、
まぁとにかくOLとか、普通のジムに不満を持っていた人とかが
結構パーソナルトレーニングに流れていた。
経営という視点から見ると、完全個室のパーソナルトレーナーとかだと
比較的安い資金で独立できたりする。
めちゃ広いスタジオは必要ないですからね。
一部屋ぐらいあればいいし、
トレーニングも内容を工夫すれば、そんなに何種類も機器をそろえなくてもいい。
そもそもフィットネストレーナーとしてどこかで雇われて働いていても
時給制だったり契約社員だったりして
いつまで経っても稼げるようにならない。
なので、それだったら独立してやっていきたいって人も増えていたみたいなんですよ。
これ、美容師とかと同じ構造ですよね。
独立しないといつまで経っても
バイト同じぐらいしか稼げないっていう。
だから初めから独立志向で下働きして、
何年か経ったら融資を受けて、無理してでも独立しちゃう。
で、美容室が乱立していて、
今やコンビニよりも数が多くなっていると。
パーソナルトレーニングジムはそこまでは増えていませんが、
ここ数年、結構増えていて、結構飽和状態になりつつあった。
そこに来てのコロナショックですからね。
私のところにも
「なんとかオンライン対応して生き残りたい」とか
「起死回生のアイデアはないか」ということで、
結構相談が寄せられました。
最後の方ではそのヒントとなるような事例も紹介しますので、
ぜひ最後までご覧ください。
営業再開してどうなったか?
そういう状況の中、5月末に緊急事態宣言が解除され、
多くのスポーツジム、フィットネスクラブが徐々に営業再開していきました。
6月初頭時点で9割以上のジムが営業再開したそうです。
それで
「や〜よかった〜!」
となったかというと、もちろんそんなことはない。
6月上旬の段階では
まだ閑散とした状態だったみたいですね。
緊急事態宣言解除と言っても、
やはりまだ怖いですからね。
本人は行きたくても家族から止められるケースもあるそうです。
ということで、6月上旬の段階ではまだまだ利用者は少なくて、
普段の10分の1ぐらいだった日もあるようです。
それが6月下旬になるとだいぶ客足は戻ってきているようですが、
それでも例年の60%ぐらいというところが多いようです。
これ、かなり厳しいですよね。
これからもっと良くなっていくとは思うんですが、
休業で大ダメージを受けて弱っているところに、
売上60〜80%の状態が数ヶ月続いたら生き残れないでしょ。
サラリーマンの人も
月収20万だったのが急に「来月から12万になります」って言われたら
もう家賃とスマホ代しか払えない、
生きていけないっていうレベルですよね。
そういうレベルのダメージが、今フィットネス業界を襲っている。
しかも、フィットネス業界って
5〜7月あたりかき入れ時ですよね。
夏に向けて。
意識高い人は4月とか5月から運動始めるんですが、
遅い人だと夏服を着るようになってから
「やば!去年の服が入らない!」とかなって、
6〜7月ぐらいに急いで入ってくる。
で、フィットネスって基本サブスクリプション、
継続課金制なんですよ。
サブスクというやつですね。
つまり月謝制。
月謝制のいいところは、
一度入ったらなかなか辞めないことですね。
入会の時ってモチベーション上がってるんで
意気揚々と申し込むんですけど、
退会の時ってモチベーション下がってるから
退会手続きってめっちゃめんどくさいでしょ。
もちろん「辞めます」って言いづらいっていうのもあるし。
私もあるFacebookの使い方を学ぶオンラインサロンみたいなのに
月額3000円で入ってるんですが、
退会の方法がよく分からなくて一度も参加しないまま
もう2年ぐらいそのままお金だけ払い続けてます。
まぁそんな感じで、
春から初夏にかけて意気揚々と入った人たちが、
なんとなく秋ぐらいまで続けて、
冬に辞める人は辞める。
来なくなるけどお金だけ払い続ける人もいる。
そしてまた次の春から初夏にかけて人が入ってくる。
そういうビジネスモデルなんですよ。
それが一番入会者が増えるこの時期に
休業していたってことはどういうことかというと、
少なくとも今年1年は売上がめちゃ厳しいということです。
ガイドラインの策定
さて、そういう現状に対して、
フィットネス業界も手をこまねいて見ているだけではなく、
いろいろな取り組みをしています。
まず『日本フィットネス産業協会』というところがガイドラインを出していて
それによると
・1人2メートルのスペースを確保できるようにする
・マスク着用
・トレーニング機器の消毒徹底
・スタジオトレーニングなどは中止を検討
・ハイタッチをしたり、大声を出したりしない
ということです。
まぁマスク着用とか、
機器の消毒とかは当然のこととして、
スタジオトレーニングの中止とか、大声を出したりしないとか、
ダンス系のスタジオトレーニングを楽しみにしている人からしたら
魅力半減という感じですよね。
みなさん、ジムというと1人で黙々とやってるイメージがあると思うんですが、
最近はみんなで楽しく運動する系のトレーニングも結構人気だったりするんですよ。
それが楽しくてジムに行ってる人も多い。
激しい曲に合わせてみんなで動いたり、踊ったりしながら、
トレーナーさんが励ましたり、楽しませたりしてくれて
みんなでワーッとテンション上げて大声出したり、ハイタッチしたりというプログラムね。
まぁ私はめちゃくちゃ苦手な系統のやつなんですけど、
それが楽しくて行ってる人も結構多いんです。
だから、これは人によっては魅力半減ですよね。
そして、2メートルの感覚を開けるというのは
これ実質、台数制限と同じようなことなので、
回転率に関わってきます。
先ほども行った通り、多くのジムは月額課金制なので、
例えば今日行って見て、混んでいたから器具が使えなかったってなっても
特に返金もないし、それでジムの経営にとって不利益はない。
でも、それが続くと退会率が高まります。
あ、散々語っといて今更言うのもなんなんですけど、
私も一時期ジムに行ってたことあるんですよ。
運動嫌いなんですけどね。
で、結構人気のマシンなんかは、いつまで経っても空かないんですよ。
ちょっと他のトレーニングして戻ってきたら、
まだあのおじさんがやってるとかね。
どんだけ自分を追い込むんだよ、みたいなね。
そういうことはよくあるんですけど、
それが続いちゃうと「もう行っても意味ない」となって、
辞めてしまう人が出てくる。
だから、
台数を増やせない、減らさないといけないというのは
ジムにとっては結構な痛手なんですよ。
フィットネス業界のニューノーマル
というような現状を踏まえて、
今、フィットネス業界はどんな取り組みをしているか?
もう私たちはしばらくはwithコロナ、
コロナと共に生きていかなくてはいけませんからね。
それについてフィットネス業界がどんな取り組みをしていて、
そしてこれからどんな取り組み求められるか?
ということについてお話ししますね。
オンラインプログラム
まずね、
ひとつめはオンラインサポート、オンラインレッスン、オンラインプログラムの取り組み。
これは休業中にも多くのジムがオンラインレッスンの可能性について
模索していました。
動画で配信したらいいんじゃないかとかね、
zoomでグループレッスンしようとかね。
いろいろな取り組みがあったんだけど、
ユーザーのニーズを満たすものはあまりなかったようですね。
なぜか?
そりゃそうでしょ、だって
自宅でできない、自宅で1人でやりたくない、
そういう人が通うのがジムなんだもん。
自宅で動画見ながらできるんだったら
最初からそうしてるよ、という感じですよね。
他の習い事もそうなんですが、
自宅だと大きな音が出せないという問題を抱えていたり、
家族がいてできないという問題を抱えている人も多いんですよ。
想像してみてください。
自宅でゆっくりテレビでも見ようかなと思ってたら
2階からドンドンものすごい音と振動が響いてきて、
何かと思って観に行ってみたら
バッチリスポーツウェア着込んだお母さんが踊ってたとかね。
ipadでイケメントレーナーと楽しそうに話してるとかね。
嫌でしょ?
そういう問題があるんですよ。
それに、動画で配信しちゃうっていうのは、
逆に首絞める場合もあるんですよ。
なんでかっていうと、
例えばめちゃくちゃおもしろいプログラムができて、
動画にまとめて配信しました。
「いや、これなら自宅でもできるし、めっちゃ楽しいね」
ってなった時。
最初はいいんですけど、
多くの人は後からだんだん気づくんですよ。
「あ、これ、もうジム行く必要なくね?」って。
だって、そうでしょ?
動画でも十分楽しめる、自宅でもできるってことがわかったら
そりゃもうYouTubeで十分じゃんってなりますよね。
わざわざお金払ってジム行ったりする必要ないと思っちゃうんです。
だからね、ジムとしてオンラインプログラムを推進していくっていうのは
結構難しいところなんですね。
アシストスーツ
でもその取り組みの中で面白いなと思ったのは
『アシストスーツ』を使った取り組み。
アシストスーツって知ってます?
これね、
ホント、超最先端技術ですよ。
「着るロボット」と呼ばれる物です。
例えば、
農業とか、介護とか、肉体労働でめっちゃ力を使う仕事ってあるじゃないですか?
このアシストスーツを着る、というか、装着すると、
ベルトとかワイヤーが人間の筋肉の動きを補助してくれて、
めっちゃ楽に物を持ち上げたりすることができるようになるっていうやつなんです。
つまり、
女性の介護士が介護したり、お年寄りが農作業したり、
っていうのがめちゃくちゃ楽にできるようになる。
そういうシステムなんですよ。
すごくないですか?
これだけでもかなりすごいんですけど、
このアシストスーツを利用するとフィットネスのリモートトレーニングがかなり充実するらしいですよ。
つまりどういうことかというと、
自宅でオンラインでパーソナルトレーニングを受けるとするじゃないですか。
その時にこのアシストスーツを着けていると
「もう少し伸ばして!」とか
「あと5センチ深く!」とか
「まだ普段の半分ぐらいですよ!」とか
「前回よりもアップしてますね!」ということが
離れたところにいるトレーナーにもわかって、
それで声かけができる。
そうすると、
リモートレッスンにたいして
「これ意味あるのかな?」と思っていた人に対して
かなり説得力のあるアプローチができる。
納得してもらえる。
めちゃくちゃ科学的ですよね。
こういうプログラムができるなら、
移動時間もかからないし、自宅でやるのもいいね!
という人が出てくると思います。
個室フィットネス
あとはやはり、完全個室でのフィットネス。
東京ではもう結構人気になっているようですね。
完全予約制で、
24時間使えて、もちろん空調とか空気清浄システムもあるし、
誰かが使ったあとはスタッフが徹底的に消毒してから
次の人が入る。
そこにパーソナルトレーナーをつけたり、
レッスン動画を観ながら運動できるようにしたりという工夫もなされているそうです。
これはコロナ対策に関わらず、
「人の目を気にせずにできる」
「順番待ちしなくても良い」
ということで
やってみたら意外とよかったという人も多いようです。
ただこれね、
当然、採算性は悪いですよ。
今まで1日に何百人も利用者がいて、
それで成り立っていたようなところがいきなり個室制にしたら当然やっていけない。
だから誰でもできるというわけではないですが、
中小のジムについては、もう完全予約制、完全入れ替え制にしちゃうのも良いのではないかと思います。
ということで、
まだまだ課題は多いですが、
とりあえず現状こんな取り組みをしているよということで、
「変化するフィットネス業界」というテーマでお送りしました。
https://www.dailysunny.com/2020/06/26/nynews200626-10/
https://news.yahoo.co.jp/articles/973a01c90c07fb4e82d727d7a590f531c9074213
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/news/world/00010/
https://news.yahoo.co.jp/articles/28aacde29bf27eaab422beafdc87c729951debd7