「自分の好きなことを仕事にして、
 それで生活していけたらいいのになー」

なんて思うことありませんか?

私はずっと思っていました。

だからこのチャンネルのテーマは
「好きを仕事に自分らしく生きる」というテーマなんですが、
その考えに対して

「いや、好きを仕事にしちゃいけない」

という説を提唱している本があるんですね。

それが「科学的な適職」という本です。

今回はこの「科学的な適職」の内容をちょっと紹介しつつ、
「好きを仕事にすべきかどうか?」
ということについて考えていきます。

最後まで読んでいただけると
いま仕事選びについて悩んでいるあなたも、
「ああそうやって仕事決めていけばいいんだな」
ということがよくわかると思います。

なりたくてなったのに悩み続けた10年

まずはじめに

仕事選びというのは本当に難しくて、
私も約10年悩み続けました。

私はもともと中学校教員で10年以上、公立中学校で勤務していました。

なんとなく教員になったわけではなく
なりたくてなったんです。

私が就職した当時は就職氷河期の末期で
教員採用試験もとても高い倍率でした。
私も何年か講師で勤務したのちにようやく教員になれたので、
なったばかりの頃はとてもうれしかったです。

でも、実際になってみるとやはり悩みも多いですよね。
楽しいこともたくさんあったし、やりがいしかないような仕事だったので、
つまらないとか、やりがいがないとかいうことで悩んだことはなかったです。

でも、制度的な問題点への怒りとか、
学校組織の古いシステムとか、
理想と現実のギャップとか、
そういうものへの不満は年々高まっていき、
それとともに「ずっとこの仕事でやっていけるのか?」
「ずっとこの仕事のままでいいのか?」
と悩むようになっていました。

あと現実的な問題で言うと、
思春期の、反抗期まっただ中の子どもたちを相手にして
全力でぶつかっていくってもう本当に大変で、
自分はこの仕事を60歳まで続けていけるのかという悩みもありました。

そんな悩みの中で「もし辞めて自力で食っていけるようにしよう」と思って、
ブログをはじめたり、と言っても今やっているブログとは違うブログなんですが、
心理学やコーチングを学んだり、速読を学んだりして
教員として働きながら自分のスキルを上げていくように努力したんですね。

で、2年前に教員を辞めて、
なんだかんだで今はYouTuber、TikTokerとして生きていると。

まぁそんな感じなんですよ。
つまり、なりたくてなったのに悩むなんてことはザラにある。

だから仕事選びというのは難しいんですね。

 

科学的な適職とは?

さて、この仕事選びという難しい問題について
科学的にアプローチした本、
それが鈴木祐さんという方が書いた「科学的な適職」という本です。

帯にはメンタリストDaiGoさんが載っていて、おすすめしていたり、
ちょっと前には中田敦彦さんがYouTube大学で解説していたりしたので、
ビジネスYouTuber業界でも話題になっていますね。

著者の鈴木祐さんは、
10万本の科学論文の読破と600人を超える学者や
専門医へのインタビューを重ねて
科学的な見地からいろいろな本を書いている方です。

この本も科学的な見地から「適職の選び方」
について紹介しています。
もうちょっと具体的に言うと
「仕事選びにおける意思決定の精度を高め、
 正しいキャリアを選び取る確率を上げる」
そのためにはどうしたら良いか?ということが書いてあります。

 

なぜ好きを仕事にしてはいけないか?

そして、この中で言われている

「好きを仕事にしてはいけない」

ということについて。

正確に言うと、
「好きを仕事にする」
という基準で仕事を選んではいけないということです。

いやでもね
このチャンネルでもそうですけど
「好きを仕事にしよう」って散々言われてるじゃないですか。

「人生そのままでいいのか?」
「つまらない仕事にあなたの時間を費やすのか?」
「やりたいことをやって生きよう!」

とかね。

いろんな人が言ってるじゃないですかと。
思いますよね?

それが、ここに来て

「好きを仕事にするっていう基準で仕事を選んではいけない」

って言われてもって感じですよね。

 

じゃあなんで「好きを仕事にするっていう基準で仕事を選んじゃいけないか」っていうと、
好きなことを仕事にしてもその人の人生の幸福度が上がるわけではないから、ということなんですよね。

好きなことを仕事にしても、それでそんなに幸せになるかというと、そういうわけではない。ということです。

短期的にはめっちゃよかったなーと思うんだけど、
長期的に見ると幸福度はそんなに変わらないらしいんです。

むしろそういう基準で仕事を選ぶ人って、
嫌なことを許容できなかったりするんで、
やってるうちにドンドン嫌なところが見えてきちゃったりして、
不満が高まったりする。

だから、「好きを仕事に」って基準で仕事を選んじゃダメだよ、と。

そういうわけです。

 

どうやって選べばいいか?

好きを仕事に、を基準にしちゃいけないって
じゃあどうすればいいんだっていう話ですよね。

それについてこの本では「7つの徳目」
というのをあげています。

それは

自由:その仕事に裁量権はあるか?
達成:前に進んでいる感覚は得られるか?
焦点:自分のモチベーションタイプにあっているか?
明確:なすべきことやビジョン、評価軸はハッキリしているか?
多様:作業の内容にバリエーションはあるか?
仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか?
貢献:どれだけ世の中の役に立つか?

の7つです。

好きかどうかよりも大事なこと。
仕事を選ぶ上で重要な基準となるのがこの7つの項目です。

つまり、
ある程度の自由度があって、
達成感や前進感が得られて
モチベーションが上がって、
単純じゃなくて、
世の中の役に立つ仕事を、
仲間とやる。

それが重要だよということです。

これつまり、職種とか職業じゃなくて
どんな仕事内容で、どんな仕事環境か、
ってことの方が大事ってことですよね。

例えば、
公務員にしても
「なんでこんなくだらない仕事をやらなきゃいけないんだ」
って30年以上ぼやきながら仕事をしている人と、
同じ公務員なのに楽しく、やりがいをもって仕事をしていける人がいる。

つまり、職種とか、職業そのものの違いよりも、
仲間がいるとか、前に進んでいる感覚を得られるとか、
そういうところから生まれる違いの方が大きいんだよ、ということです。

 

本当に好きを仕事にしてはいけないか?

では最後に、
本当に「好きを仕事にしてはいけないのか?」ということですけど、

私は「好きを仕事にしていい」と思います。

 

まぁこの本ね、
「好きを仕事にしてはいけない」って言った方がキャッチコピー的に強いので、
そういう風に言っていますが、
まぁ正確には

「好きかどうか?を基準にして仕事を選んでも、
 それによって幸福度が上がるということはないよ」

という話なんですよ。

つまり、「好きを仕事にすること自体」は科学的に間違っているわけではないし、
おかしい選択というわけではないっていうことなんですね。

例えば、
「マンガ家になりたい!」
とめちゃくちゃ強く思っていて、ようやくマンガ家になれましたよ。

それはめちゃくちゃ嬉しいじゃないですか?

すごいことだし。
短期的には幸福度も上がりますよね。

でも、それだけで終わりじゃないんだよ、と。
そういうことです。

「なれた」ということで満足してしまっていると、
当然面倒なこともたくさん起きるし、こんなはずじゃなかったということもたくさん出てくる。

だから
「好きを仕事にできて満足です」
で終わっちゃう人は、長期的に見ると幸福度はそんなに高くないよ、ということなんですよ。

 

じゃあ、どうすればいいかというと、
好きを仕事にしてからが大事ということです。

例えば、
達成感を味わえるようにちゃんと数値で管理するとか、
自分の仕事が世の中にどう役立っているのかを自分でしっかり価値づけしてあげるとか、
助け合える仲間と一緒に仕事をするとか。

そういう仕事の内容とか、仕事の環境をよくしていく工夫をしていかないと
幸福度が高まりませんよと。
そういうことなんですね。

 

ということで、
みなさんもぜひ好きを仕事にしつつ、
仕事の内容とか、環境を整えて、より幸福に人生を歩んでいってもらえたらなと思います。

 

ということで今回は
「科学的な適職」という本を取り上げながら、
「好きを仕事にする」ということについて考えてみました。