緊急事態宣言が近日中に解除されそうですが、
今日から出勤再開で昨日は眠れなかったとか、
今週中、もしくは来週から出勤再開されるよということで
非常に憂鬱な日々をお過ごしの方も多いのではないかと思います。
嫌ですよね。
満員電車、上司の顔、職場のストレス、
考えるだけで気が重い人も多いでしょう。
わたしも10年以上中学校教員として勤務してきて、本当に荒れた学校、ストレスフルな環境もいくつか経験してきたので、休み明けの出勤の辛さは良くわかります。
わたしはそういうストレスフルな状況を打開するために、心理学を学び、自分自身でそのテクニックを使ったり、教育現場で生かしたりして乗り越えて来ました。
ということで今回は、そんなわたしが
「出勤再開うつ」「アフターコロナうつ」をテーマにお送りいたします。
今憂鬱な気分になっているあなたもこの記事を読むと、
気持ちを切り替えて、またがんばっていくためのヒントを得られると思います。
また記事の最後の方では
「そもそも出勤しなくて良くない?」という話にも触れていきます。
Twitterのトレンド「出勤再開うつ」「満員電車」
昨日、5月24日に
Twitterのトレンドキーワードになっていたのが「出勤再開うつ」。
今日のトレンドキーワードは「満員電車」でした。
もうみんなどんだけ嫌なんだよ笑という感じですよね。
まぁ嫌ですよね。
ようやくテレワークに慣れてきたところですもんね。
テレワークじゃない方も、通勤ラッシュが緩和されて、
閑散とした街の風景もようやく見慣れてきた、そんな今日この頃。
ここにきての再開ですよ。
またあの地獄の通勤ラッシュに身を投じるのか…
行き帰りの時間だけで1日1時間〜2時間も使うのか…
毎朝毎朝、おじさんと密着しながら満員電車に揺られるのか…
そう思うと、嫌だ通り越してもう怖いですよね。
そうまでして向かう先がハッピーな職場だったらまだ幸せですよね。
でも多くの人は嫌な上司の圧力や、職場の面倒な人間関係。
そういうストレスに向き合っていかないといけない。
そりゃうつにもなりますよ。
出勤再開うつ、アフターコロナうつとは?
ということで、「出勤再開うつ」もしくは「アフターコロナうつ」というものについて調べてみると、
「テレワークに慣れてしまった人たちが、緊急事態宣言を解除されて、
再び出勤しなくてはいけなくなり、憂鬱な気分になっていること」
のようです。
わたしは医師ではないので断言はできませんが、
これは一種の「適応障害」のようなものかもしれません。
環境に適応できないストレスが原因で、心身にいろいろな症状が出ることを適応障害と言います。
「明日から出勤再開かー」というストレスによって、
不安、神経過敏、心配、イライラ、うつ状態、疲労感、頭痛、不眠などの症状が現れている人もいるかもしれません。
うつ病ではない
ひとつ注意してほしいのは、「うつ」というと、皆さん「うつ病のことかな?」と思うと思うんですが、
これは「うつ病」ではありません。
うつ病というのは多くの場合、
実は多くの場合、原因やきっかけが良くわからないんです。
「なんか良くわからないけど、うつ状態になり、身体的・心理的な症状が出ること」なんですね。
皆さん「うつ病」というと
「すごーくショックなことや、すごいストレスがあって、それで沈み込んじゃってる」ように思いますよね。
違うんですよ。
それは多くの場合「適応障害」と呼ばれます
似たような適応障害
「出勤再開うつ」と同じような例として、
「五月病」「ブルーマンデー症候群」「サザエさん症候群」などが挙げられます。
これらは医学的な病名ではなく、いずれも適応障害の一種で、通称です。
五月病というのは、
「ゴールデンウイーク明けに学校や職場に行きたくない人が増える」というものです。
これは「進学や人事異動などを乗り越えてきて、そこまでは気を張っていたが、ゴールデンウイークで緊張の糸が切れてしまい、やる気が出ない」みたいなケースを指すようです。
「ブルーマンデー症候群」「サザエさん症候群」は土、日と休んだ後、
日曜日の夜になると「月曜から仕事か〜ヤだな〜」と憂鬱になることです。
これらのケース、なんとなく出勤再開うつと似ていますが、
厳密にはちょっと違いますね。
なので、今回のケースは適応障害の中でもかなり特殊なケースと言えるでしょう。
ちなみに、なんでわたしが適応障害について知識があるかというと、
やはり中学校に入って環境に適応できなくて不登校になってしまったりする子も多かったし、
教員の中にもストレスでうつ状態になって休職しちゃう人ってすごく多いんですね。
なので、教員時代にめちゃくちゃ調べたり、保健室の先生に聞いたりして学びました。
出勤再開うつを乗り越えろ!
さてでは、この出勤再開うつを乗り越えるにはどうしたら良いか?
その方法は3つあります。
・ストレス因を除去する
・心的エネルギーを蓄える
・ストレス処理力を身につける
の3つです。
ストレス因を除去する
まずひとつめ、ストレスの原因となるもの=ストレス因を除去する、ということです。
適応障害はなかなか薬が効きづらく、一番効果があるのはストレスの原因を除去することらしいです。
「出勤再開うつ」の場合だったら「出勤すること」です。
つまり、出勤しなければいいんですよ。
なんて言ったら元も子もないから、困るんですよね。
でもね、
もしも本当に、死にたくなるぐらい出勤再開が嫌だという人がいたら、
それは辞めちゃっていいと思いますよ。本当に。
もちろん、学校もそうです。
死ぬほど嫌なら行かなくていい。
学校も仕事も辞めてもなんとか生きていけますから。
そこは心に留めておいてほしいなと思います。
心的エネルギーを蓄える
二つ目は「心のエネルギー」を蓄えるということです。
ストレスを乗り越えるにはエネルギーが要ります。
テレワークや外出自粛のせいで、心のエネルギーがすっかり弱まってしまっている人も多いと思います。
自律神経の乱れや、体力の低下は、生活の乱れは、心のエネルギーの低下につながります。
家にいるからと言って、
昼頃起きて、カップラーメン食べて、お腹空いたらお菓子食べて、運動もしない、1日中スマホゲームとYouTube、寝るのは明け方
なんて生活してたら、そりゃ出勤再開うつにもなりますよって。
心のエネルギーゼロの状態ですもん、これ。
なので、出勤再開するにあたって、
まずは生活、心、体を整え、心的エネルギーをためておくことが大事です。
具体的には
・運動をする
・食生活を整える
・睡眠をしっかりとる
・早寝早起きする
などをしていくと良いでしょう。
ストレス処理力を身につける
三つ目は「ストレス処理力」を身につけるということです。
ストレス処理力にはいろいろなものがあるんですが、
出勤再開にあたって重要なのは
「ストレス発散力」と「スルー力」の2つだとわたしは思います。
まず「スルー力」つまりスルーする力についてですが、
職場で誰かと一緒に仕事をする上で、どうしても意見がすれ違ったり、ぶつかったり、ぶつけられたりすることがあります。
また、相手が意図するしないに関わらず、嫌な思いをすることもあります。
それらをスルーする力です。
こういうことを言うと「それは逃げているだけ」とか「ちゃんと向き合うべき」と言う人もいると思うんですが、
もちろん重要な問題には向き合うべきです。
が、いちいち全てに向き合っていたら心のエネルギーが持ちません。
スルーできるところはスルーする。
そうすることによって、より重要な問題に向き合う力が生まれます。
続いて「ストレス発散力」について。
満員電車とか、他人と一緒にいないといけないとか、そういうストレスは
環境的なものから知らず知らずのうちに受けてしまいます。
気付いたら心がすり減り、休んでも休んでも疲れがとれない。
というようなことになりがちです。
そうならないためには、日常で知らず知らずのうちに受けているストレスを早めに、こまめに発散してあげることが大切です。
例えば、
・趣味の時間を確保する
・おいしいものを食べる
・お風呂に入る
・運動する
・遠出してみる
など。
これらをただなんとなくやるのではなく、これらをやることによって
「あーリフレッシュできているな」「充電できているな」と実感しながらやることが大切です。
出勤再開しなくてよくない?
さて、最後に。
出勤再開うつになっている多くの人が思っていることを代弁しますね。
出勤再開しなくてよくない?
だって、テレワークでも十分仕事ができるって証明されたじゃん。
それでできるならそのままでいいし、
どうしてもできないことだけ出勤してやるようにすればいいじゃん。
そう思いますよね。
わたしもそう思います。
そもそも通勤時間が長いと死亡率が高まるという研究結果もあるし、
もちろんコロナへの感染リスクも高まる。
ストレスも高まる。
出勤準備、通勤時間、電車の待ち時間などを入れると、
多くの人は1日2時間〜3時間ぐらいを捨てていることになる。
そして、通勤時間は労働時間として計上されていないけど、
それもかなりの労力ですよね。
それを毎日2〜3時間分ドブに捨てていることになる。
オフィスの維持費用もかかるし、交通費もかかる。
テレワークができるのにやらない
リスクとコストでしかないんですよ。
そしてそれを推進しようとする人は
テレワークが苦手な人たち、テレワークで進捗管理できない管理職、成果主義で成果を評価する能力がない管理職たちです。
いい加減にしろと思いますよね。
今、ちゃんとテレワークできるシステムをつくっておけば、
これから同じようなことが起こった時にすぐに対応できる。
コロナの第二波、第三波が来た時にもちゃんと対応できるようになる。
そのチャンスも逃すことになる。
それなのに今「あー収束して良かったね、じゃあ元に戻そうか」なんて言ってたら、
コロナの第二波、第三波が来た時にまた同じように大混乱することになるんですよ。
ぜひ会社の経営者の皆さんはこの機会にテレワークでできることはテレワークでやる仕組みをちゃんとつくる、定着させる。ということをやってほしいと思います。
<参考>
テレワークが終わった「アフターコロナうつ」に要注意
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ff0aa57abbf0af8cd2c37f336e84a1311677498
元の生活に戻りたくない…テレワーク組が陥る「出勤再開うつ」原因と対策は?
https://news.yahoo.co.jp/articles/df12747d6ab0ba93c2dbf68bcbfd0f798af9092c