よく
「転職した方がいいですか?それとも起業?それとも副業?」
というような質問を受けます。
でもそもそもこれからの時代は
そういう枠組み自体が大きく変わっていくように思います。
今回は「これからの時代の仕事のつくり方」というテーマでお送りします。
最後まで読んでいただけると、
これからの時代、どうやって自分の仕事をつくり、
どうやってビジネスを伸ばして行ったら良いか?ということがわかると思います。
就職神話の崩壊
戦前までの日本は、生まれた家によってほぼ仕事が決まってしまっていて、
どこかで働くと言っても、縁故で決まるケースがほとんどでした。
それが戦後、民主化が進み、経済が発展していく中で、
「就職するか?起業するか?」とか
「就職するか?バイトするか?」というような働き方の「レール」みたいなものがつくられていきました。
レールに乗るか乗らないか?という働き方は
そのレールに乗るのが幸せ、レールから外れたら不幸せ。
レールの乗るのが安定、レールから外れたら不安定。
というような二元論的な考え方につながっていきます。
しかし、パソコンが普及し、インターネットが普及し、スマホが普及していく中で、この価値観は少しずつ変わっていきました。
そして、現在のコロナショックという時代の大変革の中で、
この従来の価値観は完全に崩れ去ったといっても過言ではありません。
終身雇用制の崩壊が言われて久しいですが、
いまだに「良い会社に就職できれば一生安心」と思っている人が少なくありません。
しかし、コロナショックによって世界大不況が引き起こされ、
多くの企業が倒産に追い込まれたり、大量解雇せざるを得ない状況になり、
終身雇用制の崩壊は確定的なものになるでしょう。
このもう就職すれば一生安心という常識は通用しなくなり、
一生ひとつの会社で勤め上げる人の方が珍しいという時代になっていきます。
いやむしろ、何十年も毎日朝から晩までひとつの会社に勤めていて、他の会社で勤めたことがない人がいきなりリストラされてしまって路頭に迷う可能性もあるわけですから、会社に献身し、依存していた人ほど痛い目に合う時代になっていきます。
さまざまな働き方がある時代
これから正社員としてフルタイムで働ける人が減っていきます。
そして非正規雇用、つまりパート、バイト、委託契約などで働く人が増えます。
じゃあ「就職したくてもできない不幸な人が増える」のかというとそういうわけではありません。
必ずしもフルタイム、週5〜6で働くわけではないので、
その分、時間が取れます。
だから他の仕事と掛け持ちしたり、
午前中だけ会社に行って午後は自分でビジネス、という働き方もできるようになります。
もちろん、空いた時間は自分の好きなことやるとか、家族との時間に使うという人もいると思います。
収入は低いけど、労働時間も短い。
それでものんびり幸せに暮らしているという人も出てくるでしょう。
空いた時間をどう使うかは、その人の価値観次第です。
さて、そうなってくると、
どれが本業で、どれが副業か、
個人事業主か、フリーターか、
趣味なのか、仕事なのか、の区別が曖昧になっていきます。
複業の時代
今までは大多数の人間が「正社員」というレールに乗る前提の社会でした。
しかし、正社員以外の人が増えてくると、複数の仕事をやっているのが当たり前になります。
そして、仕事とボランティアと遊びと営業の線引きが曖昧な人も多くなります。
数年前から「これからは『複業の時代』だ」なんて言われてきましたが、
これについてもイマイチ、ピンと来ていなかった人も多かったと思います。
でもこれからの時代、いよいよこれも常識になってきます。
私自身、いろんな人と一緒にプロジェクトをやったり、イベントを企画したり、ライブ配信したりすることが多いですが、じゃあそれが仕事なのか、遊びなのか、ボランティアなのか、営業活動なのかと言われると、
どれとも明確に区分することはできません。
もちろん、ネガティブな面で言うと、
ひとつの仕事では生活していけず、仕方なく複数の仕事を「掛け持ち」でしていく人もたくさん出でくるでしょう。
ポジティブな意味でも、ネガティブな意味でも、
多くの人が複数の仕事をするような時代になっていくと思われます。
考え方が大きく変わる
そんな感じで働き方が大きく変わっていくので、
人々の仕事観・人生観も大きく変わっていきます。
例えば、ちょっと前までは
長男だったらいい大学に入って、いい企業に入って、一生そこの会社に勤め上げる。そして、家族を構えて、家を立てて、一生そこで暮らしていく。
というのが当たり前の生き方、人としてのあるべき姿だと思っていた人も多いと思います。
いや、今でも思っている人はたくさんいるでしょう。
でもそれって、明治時代から変わらない人生観なんですよね。
土地や家を守るって点では下手したら、江戸時代の人と変わらない。
もちろん、日本人として守るべきこと、大切にすべきことはたくさんあります。
でも、時代は変わっていきます。
いくら「日本の心を守る」と言っても、
今の時代にちょんまげ結って、刀差してる人いたら、おかしいですよね。
しかも、今はその「時代の変化」のスピードがドンドン早くなっています。
10年前の常識は今の非常識です。
今も高度経済成長期やバブル期と変わらないような人生観を人に押し付けてくる人は、ちょんまげ結って街を歩いてるのと同じぐらい時代錯誤なのです。
そんな中で、仕事や人生についての、人々の考え方は以下のように変わってくると思います。
仕事は変わっていい
今までは「一生ひとつの仕事をやり遂げる」ことが美徳と考える人も多かったですが、これからはその考え方は変わっていきます。
なぜなら、多くの人が一生のうちに何度か仕事が変わることになるからです。
それは会社の倒産やリストラという場合もありますし、
その業種自体がなくなる場合もあります。
その代わり、今では予想もできないような仕事もドンドン生まれてくるでしょう。
やりたいことは変わっていい
上記のことに関連して、やりたいこともドンドン変わっていく人が多くなると思います。
例えばここ20年ぐらいで考えてみても、ミクシーや2chで活躍していた人たちは今はTwitterとかインスタに流れているでしょう。
ニコ動を極めていたような人たちも、今はYouTubeにいるかもしれません。
「俺のやりたいことはこれだ!俺の生きる場所はここだ!」
と思っても、数年後にはその場所はないかもしれないのです。
「一生ひとつのことをやりぬく」みたいな価値観ではなく
「時代に合わせて柔軟にフィールドを変えていく」というのがこれからの生き方になりそうです。
専門分野も変わっていい
今までは大学や専門学校で何を学んだかが、
その人の一生を左右するという時代でした。
例えば、大学で化学を学んだ人は化学関係の職についていただろうし、
専門学校でWEBデザインを学んだ人はWEBデザイン関係の仕事についていました。
「あなたの専門はなんですか?」
というと、だいたい、高校、大学、専門学校で学んだことか、
はじめに就職した会社で学んだことを指す場合が多かったです。
でも、時代は変わりました。
一昔前だったら、
元音楽教師のビジネス系YouTuberとか、
教育学部出身の動画編集者とか、そんな人いませんでした。
今は当たり前にいますよね。
学校で何を学んだかよりも、直近で何を学んでいて、
今何ができるかということの方が重要な時代になっています。
人間関係や環境も変わっていい
社会的なところで言うと、
昔だったら、会社の「同期」と一生の戦友みたいな感じだったり、
住む家も地域もずっと一緒だったり、もちろん1人の妻と一生連れ添うみたいなのが当たり前でした。
でも、社会の変化に伴ってこれも変わっています。
昔は「離婚」なんて言ったら、村中の噂になっていましたが、
今では全然普通です。
離婚はもちろん、未婚、パートナーシップ、里親、シェアハウスなど、
家族のあり方も大きく変わっています。
昔は会社=人生だったので、
その人の交友関係も会社の人が多かったですが、今はそれが完全に崩れていますし、
そもそもひとつの会社に一生いるわけではなくなっています。
住む家も、住む地域も、仕事やその時のライフステージによって変わっていくのが当たり前になっています。
このように働き方が変わることで、
人々の考え方、価値観、人生観までも大きく変わっているのです。
これからの時代の仕事のつくり方
ではこのような中で、私たちはどのように働き、どのように仕事をつくり出していけばいいのでしょうか?
そのポイントを紹介します。
常に同時進行しろ!
これまでの働き方は、20才前後で会社に就職して、そこからジワジワと役職が上がっていき、それに伴って給料ややれる仕事も大きくなっていく。
50代後半が仕事のピーク、みたいな働き方でした↓

でもこれからは誰でもいくつかの仕事を経験する時代になっていきます。
そして、次の仕事への移行の仕方も、
今までのように
「就職」→「退社」→「就職」
というような感じではなく、どこかで働きながら、
同時進行的に次の仕事がはじまっていく。
この仕事をしながら、同時進行で次のビジネスのタネをまいておく。
というような移行の仕方がもっとも賢いやり方です。

なぜかというと、どれがうまくいくか誰にもわからないからです。
今までだったら、ひとつの会社で全力投球していけば、
たぶん定年まで働くことができ、
たぶんだんだんと給料も伸びていきました。
でも、今はそういう時代ではありません。
安泰だと思っていた会社が潰れ、
興味本位ではじめたスモールビジネスが急激に伸びたりする。
誰もどれが正解かわからない時代なのです。
※上の図については藤原和博さんの著書を参考にしています。
うまくいったものに注力せよ
どれがうまくいくかわからないし、
どれが沈んでいくかもわからない。
なので、情勢をみながら、うまくいきそうだなという予兆を早めに掴んで、
うまくいきそうなものに力を注ぐようにしていきましょう。
一点に全力投球ではありません。
あくまでも他のこともやりつつ、
力の配分を変えていくという感じです。
そしてもし、新しい仕事がめちゃくちゃうまくいけばそちらに移行してもいいし、
うまくいかなかったら今の仕事を続けつつ、また新たなタネをまいていけばいいのです。
2つの壁を乗り越えろ
さて、このような働き方をしていくと、
2つの壁にぶち当たります。
どっちもうまくいかない時期

ひとつ目は、どっちもうまくいかない、なかなか成果が出ない時期です。
ひとつめの仕事をしつつ、タネもまいたけど、
なかなかどっちもうまくいかないなーという時。
どちらかを残すか、それとも伸びると信じて両方続けるか、
という判断が必要になります。
ここを堪えて、乗り越えられれば次のステージに進めます。
両方忙しい時期

二つ目の壁は、2つの仕事がふたつともうまくいってしまい、
もうめちゃくちゃ忙しい時期です。
金銭的にも気力的にももっとも充実している時ですが、
時間的、体力的にはかなり厳しいはずです。
精神的キャパシティが低い人だと、ここで潰れてしまうので、
できるだけピークが重ならないようにする工夫が必要です。
ここで人を雇ったり、組織として拡大するのもひとつの手ですが、
これからの時代、拡大戦略がずっと続けられるわけではないので、
事業が落ち着いた後にうまく着地できるようにということも考えておく必要があります。
ということで今回はこれからの働き方について、お送りいたしました。
最後に、もっとも重要なのは、
これまでの常識に囚われず、時代を、時流を読んで、
柔軟に考え、対応していくということです。
過去の経験や成功体験は大事ですが、それにずっと囚われていると
明治時代になってもちょんまげを結っていたサムライみたいになってしまいます。
ぜひ、新しい時代に適応しつつ、
あなたが自分らしく働ける仕事をつくれますように!