地方移住が注目を集めている。
どうせ東京にいても外に出れない、人と会えない、仕事もない。
…という状況だったら、
もう都市部にいるメリットがないから、
さっさと田舎に引っ越してしまった方が良いというわけである。
そこで今回は、
地方都市(静岡市)在住の私すぎやまが地方移住をオススメするかどうか、そのメリット・デメリットについてご紹介する。
地方と言ってもピンキリ
まず最初に、
地方と言ってもピンからキリまである。
「東京」と言っても、新宿から多摩川の上流まで、
大都会から田舎まであるのと同じようなものだ。
例えば、静岡で言うと、
私の住んでいる静岡市はめちゃくちゃ都会である。
- 新幹線が停まる。
- JRの駅がある。
- デパートがある。
- バスが1日に何本も出ている。
- 自動車通勤じゃない人がたくさんいる。
- スタバがある。
- 夜、飲みに行くお店がある。
- 企業がたくさんある。
こういう条件を満たしている街は、
地方の中でも都会である。
逆に私が生まれ育った街なんかは、
それらすべてがない。
一番近所のコンビニまで車で20分。
その間、信号はひとつもないという世界だ。
「マジで自給自足したい」とか
「村に住みたい」
「夜飲みに行くなんて全く興味ない」
「畑つくりたい」
「完全アウェーな村社会でもすぐに馴染める自信がある」
とか言う人は、こういうガチ田舎に住むことも良いと思う。
しかし
「のどかにのんびり暮らしたい」
「都会の喧騒に疲れた」
「なんとなく田舎に憧れている」ぐらいだったら、
ちゃんと駅のある地方都市に住むことを強くオススメする。
その上で、どーしてもっと本格的な田舎に住みたくなったら
ただ〜100万ぐらいで限界集落の古民家を買ったりすることもできる。
なので、まずは地方都市に移住して、そこから検討するというのがオススメだ。
デメリット
では地方移住にはどんなメリット、デメリットがあるのか?
まずはデメリットから見てみよう。
就職の選択肢は少ない
まず就職の選択肢は少ない。
なので公務員、地銀、インフラ系が、最上位職、みたいな感じである。
ベンチャー企業に努めてイノベーション起こしたい!というような人には就職先はほぼない。
バイトするにしても、都市部だったらコンビニ、ファミレスなど、24時間働けるところがゴロゴロあるが、地方だと徒歩圏内、自転車圏内でバイトできそうなところが数件、ということもよくある。
人が少ない
人口が少ないということは、何をやるにしても母数が少ないということだ。
なので、イベントを開催してもいつも同じ顔ブレになってしまったり、
飲み屋をハシゴしたら、さっきの店で会った人とまた会うなんてこともよくある。
不特定多数に呼びかけてセールスしていくような業種には不利である。
車がないとつむ
地方だと、街の仕組みや、人々の考え方自体が
「車があって当たり前」という感じなので、
車がないと不便なことが多い。
遊びに行くところが少ない
若者が遊びに行けるようなところが、あまりない。
映画館、カラオケ、アミューズメント施設、ショッピングセンターぐらいだ。
毎回、結局、いくところがなくて、
ショッピングモールのフードコートとか、スタバとか、ファミレスに溜まることになる。
観光地とか、景勝地、歴史的建造物などもあることはあるが、
アクティブな若者はもう結構行き尽くしてしまっていたりする。
飲食店については?
飲食店についても、若者が好む「なんとかバーガー」とか、チェーン店とか、NY発のお店です、みたいなのは、そんなに選択肢はない。
でも、個人店は結構レベルは高いと思う。
その良さがわかるようになると楽しめる。
教育格差
教育については学校の選択肢があまりにも少ないため、
地方と都市部ではかなり差がある。
小中学校については公立学校以外の選択肢、つまり私立学校や国立学校、フリースクールなどが少ないため、
公立学校が荒れている…などの場合には、もう学校に頼らず自力で勉強していくしかありません。
また例えば、音楽について学びたいと思っても、
地方だと教室も少ないし、
ましてや高校、大学で専門的に学べるところも少ない。
スクールや専門学校も少ないので、
バンド系の歌手を目指している子がクラシックの先生の元で習っているなんてことがよくある。
田舎すぎるとつむ(交通、買い物、人間関係、害獣)
今述べたデメリットは、地方都市での話である。
限界集落とか、本当の田舎だと、事態はもっと深刻である。
まず一番近くのスーパーまで車で30分…なんてよくある。
バスは1日3本。
飲みに行ったら帰ってこれない。
あと、いきなり裏口から隣のおばさんが入ってくるとか、
変な噂流されたら終わりとか、
川の草刈り、地域の祭りには強制参加とか、
人間関係での悩みも多い。
年に数日間は草刈りや枝葉の選定をしないと、
庭や畑が森になって消滅する。
あと、ここは都会の人は意外とノーマークなのだが、
害獣、害虫がめっちゃいる。
ハチ、ムカデ、ヘビ、ハクビシン、タヌキ、イノシシ、サル、野良猫など。
しかも、虫はたぶん都会の人が見たこともないないぐらい大きい。
タヌキとかもアニメなどではかわいらしいが、
作物を荒らされるので田舎の人たちはめっちゃ敵視している。
ポンポコとかマジでシャレにならない。
私は高校まで限界集落のようなところに住んでいたので、
よくわかる。
ちなみに私はマジでそんなところに住んでいたので、
スズメバチ、ムカデ、マムシに噛まれて入院したこともある。
ただし、田舎といってもこれは限界集落のようなところの話で、
例えば、静岡市とかそういう地方都市ならば、こういう問題はほぼ起きないので安心してほしい。
メリット
次に地方移住、田舎暮らしのメリットについてご紹介する。
先にデメリットをたくさん紹介したが、
なぜデメリットを先に紹介したのかというと、
そこで心が折れてしまうようなら田舎暮らしは諦めた方がいいからだ。
このデメリットを乗り越えれば、大きなメリットもある。
このデメリットを乗り越えてでもメリットを享受したいという人には
地方移住はめちゃくちゃオススメである。
のんびりしている
まず都会と大きく違うところは時間の流れだ。
田舎はのんびりしていると言われるが、本当に時間そのものがゆっくり流れているように感じる。
騒がしい騒音もない。
通勤ラッシュもないし、人混みもない。
イライラしながら足早に歩く人とすれ違うこともない。
そういう点では精神的な「すり減り」が少ない。
家賃・生活費が安い
家賃や地価は都会に比べて圧倒的に安い。
例えば、東京だったら10万円出さないと住めないような部屋に
田舎だったら3〜5万で住める。
山奥とか、伊豆の方とかだったら
「ただでもいいから引き取ってほしい」
という家もたくさんある。
また、生活費についても、
都心部よりも物価が多少安いし、野菜なんかはすごく安く手に入ったりする。
東京だったら手取り15万だと生活できないかもしれないが、
田舎だったらまぁまぁ普通ぐらいには生活できると思う。
競争相手が少ない
人が少ない代わりに競争相手も少ない。
例えば、広告とか、WEB制作とか、
東京だったら競争相手が五万といて、なんだったらWEBで世界中を相手にして戦っていかなければならない。
田舎だったら「WEBに疎い経営者」が大量にいるし、
そこにちゃんと提案できる企業も少なかったりする。
なので、地元の企業や経営者と人脈をつくって、
そこから仕事をもらえるようになると、かなり強い。
オンラインで完結する仕事はコスパ良
フリーランサーとか、オンラインで完結するような仕事の場合、
どこでも仕事ができる。
ただ、今までは東京にいれば
「ちょっと打ち合わせ」とか「セミナーに参加しよう」という時に便利だった。
しかし、今は人と会えない、イベントもできない。
なので、オンラインで仕事ができるフリーランサーからしたら、
東京にいることはコストでしかない。
東京だったら売り上げ30万はないとやっていけない人でも、
田舎に移住してきたら売り上げ20万でもやっていけるかもしれない。
そう考えると、オンラインで仕事ができる人にとっては
田舎の方がコスパが良いと言える。
自治体の移住支援
地方の自治体は移住者を増やしたいので、様々な移住支援策を打っている。
県外から移住してくるだけでかなり大きな利益を受けることができる。
その内容は自治体によって異なるが、例えばこんな支援策がある。
- 住宅購入支援金 最大200万
- 結婚祝い金
- 保育料無料
- 創業補助金
- 農業補助(農地を借りたりする際の補助)
参考「知らないと損する全国自治体支援制度」
https://www.iju-join.jp/feature_exp/071.html