「コミュニティ通貨」「コミュニティ内通貨」
というものが流行りのようで、
そのワードをよく耳にします。
信頼に基づく新しい通貨をつくり「GIVE」し合うというようなものだと思います。
理想はよくわかるのですが、
根本的にいろいろな問題をはらんでいるように思います。
今回は「コミュニティ通貨」について考えてみます。
仮想通貨と変わらない?
現在の貨幣経済は各国の政府が発行する「貨幣」を基軸とした経済です。
それに対抗して、新しい通貨をつくろう。
信頼できるシステムが構築できれば、
世界共通の新しい通貨ができる。
それが「仮想通貨」です。
コミュニティ通貨って、基本的にこれと同じ発想ですよね。
違いは、貨幣と交換可能か?
コミュニティ内か、グローバルか?ということぐらい。
基本的な発想は、仮想通貨とコミュニティ通貨は同じです。
昔は政府でないと、信頼できるシステムがつくれなかったのですが、
今は技術の発展により、個人や会社でもそれが可能になった。
それによって、
新しい通貨をつくろうという人が出てきたということです。
実際のお金と交換可能か?
もうひとつの違いは
「お金と交換可能かどうか?」ということです。
仮想通貨はお金と交換可能です。
そのレート差を利用して、
為替のようにトレードで儲けている人もいます。
コミュニティ通貨は多くの場合、
金銭とは交換できません。
しかし、
「1000ポイントで○○が利用できます」
となったら、これは実質的に金銭と同じです。
ポイントを持っていない人は1000円払っているのですから、
その代わりとして1000ポイントを払っているということになります。
お金に余裕がある人が勝つ?
「○○したら100ポイントもらえます」
ということについても、
それが時間や労働と変換できるものだとしたら、
労働(時間)→ 金銭
となるところを
労働(時間)→ ポイント
に変わったにすぎません。
しかも
日々の生活に追われて朝から晩まで働いている人は
そこに労働力を投入できません。
そのため、
結局はお金を持っていて、余裕がある人の方が
ポイントを稼げるということにもつながりかねません。
結局はお金(と時間)に余裕がある人が勝つ。
これではあまり意味がないと思うのです。
仮想通貨はインフレする
仮想通貨や、オンラインゲーム内の通貨は時間と共にインフレーションを起こしていきます。
これはほぼ必ずそうなります。
そうすると、運用する時間が長くなればなるほど、
古参と新規との間に、壁ができていきます。
コミュニティに入った人には1000ポイント授与。
でも、古参のメンバーはすでに30万ポイントもっている。
何かするにも、古参メンバーが絶対優位。
これでは現在の貨幣経済、資本主義経済と同じです。
コミュニティ通貨というものには可能性を感じますが、
これを成功させるには
まだまだいろいろな問題を解決していかなくてはなりません。