一昔前、昭和からバブル期ぐらいまでは情報も物もサービスも、
人々に行き届いていない時代でした。
人々はいつも新しいものを求めていて、
目新しいサービスや物が販売されて、TVCMのひとつも打てば、
あとは放っておいても物が売れた時代。
残念ながらそんな時代はとうの昔に終わっています。
これからは「作り手を増やす」=ファンマーケティングの時代
このような時代情勢の中で、私たちは
これからの時代に合ったマーケティング=物の売り方を考えていかなければなりません。
これからの時代に合った物の売り方とは、
すなわちファンマーケティングだと私は考えています。
市場の成熟化
よく『市場の成熟化』と言われますが、
今はまさにそんな状態です。
・新商品、新サービスと呼ばれる期間は短く、価格はあっという間に下がる
・世の中で『すごい!』『新しい!』と言われる商品やサービスであっても、すぐマネをされる
・『そんなにいらないのに……。』と思うほどの機能がついている
・ニッチすぎる商品やサービスが生まれる
ヒット期間が短くなる
これ、まさに今の日本の状態そのものですよね。
昔は、一度ヒット商品が出たらそれが数年間はもてはやされた。
音楽とか、服の流行もそうですよね。
何かがヒットするとあっという間に同じような作品が大量に作られる。
そして、1年前のヒット作が、1年後には古臭くて笑っちゃうぐらいになっています。
万人向けの崩壊
さらにいうと、昔はお父さん、お母さん、子供、おじいちゃん、おばあちゃんまでも
一緒にTVを見ていたので、その年のヒット曲は誰でも口ずさむことができました。
今はどうでしょう?
お母さんは息子の好きな歌手の名前を聞いても「?」という感じだと思います。
それがチーム名なのか、個人名なのかすらもわからないでしょう。
家電にしてもそうです。
昔はお父さんがほしいものは、お母さんにとっても良いものでした。
今では
「誰にとっても良いもの」=「万人向け商品」がなくなってしまいました。
ファンマーケティングの時代
このような時代の中で、ファンの心をガッチリつかみ、
世界の頂点をとった企業があります。
Appleです。
Appleは「ファン」によって支えられています。
その製品はめちゃくちゃ高いし、
決して若い女性向けではないし、
おじいちゃんからしたらよくわからないし、
子供からしたら壊れやすい。
つまり、全然万人受けではないのです。
でも、Appleが新製品を出したら絶対買いたい層がいます。
その下には、基本Apple製品ばかり使う、買い換えるならAppleという層がいます。
Appleはこの2層の根強いファンによって支えられているのです。
万人ではなくファンを喜ばせる製品を
Appleは世界中の人に向けて製品を作っているわけではありません。
ファンに向けて製品を作っているのです。
ファンが喜ぶ製品を作っているのです。
もしかしたら性能やコスパから見たらファーウェイの方が良いかもしれません。
でも、それはファンにとっては関係ないのです。
ファンマーケティングに成功した企業は、
価格競争の外にいることができます。
これからの時代は万人向けではなく、
ファンを喜ばせる、ファンに向けて情報発信していく時代が必ずやってきます。