「転職を考えているんですが、どの業種がおすすめですか?」
というような質問をよくいただきます。

このコロナ禍で大変な中での転職、
どうせ転職するなら将来性のある仕事に就きたいという気持ちはよくわかります。

そこで今回は「コロナで影響を受けにくい業界」というテーマでお話しします。

私は元社会科教師で、
今はビジネス系YouTuberとして、
社会問題やコロナについての情報をまとめて発信していますので
ぜひチャンネル登録お願いします。

 

今回は今までいろんな業界の情報を集めてきた、
元社会科教師、社会系YouTuberの視点から、
あなたの転職や仕事選びに役立つ情報をお伝えします。

前半ではコロナ禍の求人の現状と、影響を受けた業界、
後半では影響を受けていない業界、むしろ伸びた業界なんかを紹介しておきます。

コロナと求人

ということでまず最初に、コロナ禍の求人や失業の現状なんですが、

2020年10月時点での完全失業者数は214万人で、
9月よりも8万人増えています。

このうちコロナで失業した人は7万4000人。

ということになっているんですが、
「コロナで解雇します」
と言われる人ばかりではないので、
実際はもっといるんじゃないかなと思います。

 

有効求人倍率は1.04倍です。
有効求人倍率というのは、仕事を求めている人、
一人当たり、何件の求人があるかということ。

去年の10月はこれが1.6倍だったので、
その時から比べると激減しています。

さらにこれは地域差もあって、
東京、大阪などの大都市では1倍を切っています。

一番低いのは沖縄で、0.73倍。
沖縄は観光業・飲食業などで、
モロにコロナの影響を受けているということでしょう。

まあそういう状況なので、
基本的に今の状況での転職はお勧めしません。

仕事があるなら、いやでもなんでもそれにしがみついてください。

ただ、コロナで仕事を失ってしまったとか、
どうしても今、仕事を探さないといけないという人もいると
思いますので、
そういう方はぜひこれからいう情報を参考にしてください。

 

コロナの影響を受けた業界

ということでまずはコロナの影響をモロに受けてしまった業界からお話しします。
ここはそんなに詳しく言うまでもなく
みなさんよくご存じだと思いますので、
簡単にお話しします。

航空業界/観光業界

まず海外旅行は全くできない。
国内旅行はGoToで一時的に沸きましたが、
感染の波が来るたびに下手したら8割、9割減。

東京のある旅行代理店では
3連休の予約5800件あった
そのうち2000件超がキャンセルされた。
年末年始の予約も取り消しが急増しているそうです。

 

飲食業界

多くの飲食店は今まで、客席数を少しでも増やし、
回転率を少しでも上げる、とにかくお客様をバンバン入れる
という戦略をとっていました。

ところがコロナ禍では、
その戦略が全く通用しない、というか、
全く逆方向に転換せざるを得なくなってしまったわけですね。

そして一番痛いのは、宴会のキャンセルです。

宴会って1発で何万、何十万と売り上げるので、
それがほぼなくなってしまったのは本当に痛いと思います。

 

自動車業界

意外なところでは自動車業界。

これにはいくつかの要因があるんですが、
まずは移動自粛や将来不安のため、
自動車を買う人が減ったということです。

仕事がテレワークになり、
いつ旅行に行けるかもわからない。
来年まで会社がもつかわからない。
そんな状況の中で、呑気に車なんて買ってられないですよね。

あと、コロナ対策で一時閉鎖している
工場も多かったようです。

 

コロナで伸びた業種

それに対して、逆にコロナで業績を伸ばした業界も
実はあるんですね。

後半では転職する際にも参考にしたい、
コロナで伸びた業界を5つ紹介します。

 

IT業界

ひとつめはIT業界ですね。
IT業界と言ってもいろいろあるんですが、
ここではざっくり言って、
インターネット、コンピュータなどの関係だと思ってください。

その中でも特に業績を伸ばした業界は

テレワークツール
クラウドツール
ノートパソコン
タブレット
アプリ開発
ネットショップ

などです。

なぜ伸びたのかというと、
それはもちろんテレワーク需要ですね。

個人レベルでテレワーク対応が進んだということと、
あとは企業なんかもこの半年で
新しいシステムを導入するところが増えました。

 

あと、これらの企業自体がもともとオンライン化しやすい業態だったので、
コロナで移動自粛やオフィスの閉鎖が起こっても、
ほとんど問題なく仕事を進めることができたというのも大きいです。

ということで、
まだ年齢が若い人はいちからプログラミングなどを学んで、
起業したり、IT業界への就職を目指すのもいいでしょう。

ある程度、年齢の高い方でも、
スキルや経験があれば就職先はあると思いますし、
IT業界は起業するのにコストはかからないので、
自分でビジネスを始めてみるのも良いでしょう。

 

ただし、これらの業界はひとつ注意点があって、
テレワーク需要で伸びたということは
テレワーク需要が終わったら反動がくるということです。

実際、ワクチン開発のニュースを受けて
zoomの株価はかなり下がっています。

ただ長期的にみたら数年は伸び続けていくとは思います。

 

ゲーム業界

続いてゲーム業界。

スマホゲームはもちろんですが、
『どうぶつの森』に代表されるように
家庭用のゲーム機需要も伸びました。

これはなぜかというと、
子どもや若年層が家にいる時間が増えたからですね。

子どもが家にずっと家にいるからと言って、
昔みたいにあやとりだの、縄跳びでもだけ与えておくというわけにもいかない。

また親は親でテレワークもありますから
親がつきっきりで遊んでやれるかというとそうではない。

ということで、
ゲーム業界はこの10ヶ月とても好調でした。

 

物流業界

続いて、物流業界。

コロナで買い物に行けなくなった分、
ネットショッピングの需要が増しました。

それに伴って物流業界は大忙しでしたね。

物流と言っても、
船とか、大型トラックではなく、
主に宅配サービスです。

ゲーム業界、IT業界はいきなり転職と言っても
難しいかもしれませんが、
物流業界はそれに比べて少しはハードルが
低いのではないかと思います。

ドライバーだけでなく、
内勤や事務職もあります。

 

スーパー、ドラッグストア、コンビニ、ホームセンター

そして、スーパー、ドラッグストア、コンビニ、ホームセンター。

小売業全体としてみると、
特にアパレルなんかはコロナの影響をモロに受けてしまったわけですが、
スーパーなど日常生活に密着した小売店は
逆に業績を伸ばしています。

やはり、
危機的な状況になると、
高級品や嗜好品は売れなくなり、
日用品を必死で求めるようになるんですね。

スーパーのレジなんかはだいぶ自動化が進んできてはいますが、
それでも品出しや検品なんかは人力で行わざるを得ないので、
ここ10年以内に大幅にマンパワーが不要になるということはないでしょう。

 

製薬業界

最後は製薬業界、また衛生用品の関係の会社なんかもそうですね。

これも言うまでもなく、
コロナかで

日本だと富士フィルムがアビガンを開発して、
かなり売り上げを伸ばしているようです。

またアメリカではワクチン会社が、
ワクチン開発のニュースと同時に一気に株価を伸ばしました。

そこまで本格的な医薬品の開発ではなく、
消毒液とか、ハンドソープ、マスクなどの業界も業績を伸ばしています。

個人レベルでは、
手が荒れにくハンドソープとか、
消毒で手が荒れた人向けのハンドクリームの販売、
ハンドケアなどが需要が出てきそうな気がします。

が、薬事法の関係には注意してください。

 

コロナでも求人がある業界

そして、最後にコロナ関係なく、
安定して求人がある業界、
今後もしばらく求人があり続けるだろう業界をお伝えします。

 

医療業界

まずは医療業界です。
医師、看護師、その他各種専門職ですね。

今、第三波の真っ只中にある大阪では重症者用の施設は建てたものの、
看護師が足りなくて困っているというそんな状況にもなっています。

 

これらの仕事はコロナでたくさん人手が必要とされたのはもちろん、
今後も必要とされ続けます。

なぜなら、高齢化がどんどん進んでいくからです。
医療に対する需要は減ることはありません。

ただし、医療事務。
これはだんだんと求人がなくなっていくでしょう。

すぐにはなくなりません。

だんだんとなくなっていきます。

これからカルテも書類も電子化、
予約も受付管理、支払いもすべてネットで完了するようになっていきます。
例えば、先生が入力した途端に所定のフォルダに収められるようになる。

そうなった時に事務職員のやることはどんどん少なくなっていきます。

今いる職員がいきなりバンバンクビになることはないと思いますが、
3〜10年ぐらいでどんどん求人は少なくなっていきます。

 

介護業界

続いて介護業界。

これは慢性的な人手不足です。

それなのに、高齢化でどんどん利用者は増えている。
なので、今後もずっと求人はあり続けると思います。

ただ、静岡あたりの介護施設でも、
外国人実習生をどんどん受け入れているようなので、
外国人労働者に仕事を奪われていく可能性はあります。

また介護ロボットや巡回システム、監視カメラやセンサーなどを
導入して、今までよりも少ない人数で回せるようになっていく可能性もあります。

ただ、それでも「もう十分、人が余っている」
という状況にはしばらくはならないと思います。

ところが、ちょうど12.3に報道があって、
今年の介護関係事業の倒産が過去最多とのことです。

理由としては、デイサービスや訪問介護、短期入所の利用が激減して、
売り上げが減少。

逆に感染対策などで支出は増えているということで、
人手が足りない状況には変わりはないんですが、
運営母体の経営が息切れしているところが増えてきたよ、とのことです。

 

土木・建築

最後は土木建築です。

こちらは新しく、家を建てたり、道路をつくったりという需要は
これからどんどん減っていく可能性が高いですが、
家も道路もメンテナンスが必要ですから、
少なくともそういう需要はあり続けます。

また、スタッフの高齢化がとても深刻な業界でもあります。

私の家の隣で今、マンションか何かを建てているんですが、
どう見ても70超えているおじいちゃんたちが
朝6時ぐらいから集まって作業してるんですよね。

昔は大工さんとかに憧れる若者もいたんですが、
今は若手の求職者がどんどん減っているそうです。

これは農業などでも同じことが言えますが、
農業はこれから工場化・自動化が進んでいくので、
今みたいにおじいちゃん、おばあちゃんがコツコツ畑を耕す仕事ではなくなっていきます。

工事現場は、場所によって環境も違うし、
形状も違うので、自動化することはできません。

なので、土木・建築関係の求人は今後もあり続けるでしょう。

 

ということで今回は社会科教師の視点から
いろんな業界を見ながら、コロナで影響を受けにくい業界をご紹介しました。