学校の先生方は過労死寸前です。

教育改革の前に、
教育現場の労働環境を改革しろよって話ですよ、ホントに。

今、生徒に一人一台パソコンを配るとかいう話も出てますが、
パソコン配り終わる前に教員絶滅しますよ、このままじゃ。

ということで今回は
元教員の私が教員の労働環境について問題提起したいと思います。

 

私は元中学校教師で、
今はYouTuber/TikTokerとして、
またYouTubeやSNSのマーケティングを教える
コンサルタントとして仕事をしています。

教員として10年以上、公立中学校で勤務してきたので、
学校現場の劣悪な環境については誰よりもよく知っています。

なので最後まで動画を見ていただけると
今、学校で、先生たちが置かれている非常に苦しい環境について
理解することができると思います。

このチャンネルでは「好きを仕事に自分らしく生きる」をテーマに、
ビジネスや社会システムに関する動画をお送りしています。

教育問題はもちろん、
これからの社会がどうなっていくだろう?と興味ある方は
ぜひ登録しておいてもらえたらなと思います。

また、
もっと情報がほしいよという方はぜひ動画の概要欄をご覧ください。
サブチャンネル、TikTok、Twitterなど、いろんな媒体で
いろんな情報を発信しています。
興味ある方はそちらのフォローもよろしくお願いします。

動画見終わった後には
ぜひコメントであなたの感想やご意見など聞かせてください。

 

それでは本題に入ります。

 

教育現場の労働環境っておかしいところがいっぱいあるんですが、
今回は「制度的におかしい」という点に絞ってお話をしますね。

本当にたくさんあるんですよ。
働かない中高年問題とか、クレーマー対応とか、コロナ対応とかね。
でも、それについてはまた別の機会にお話しします。

今回はまず教員の勤務実態について、
そしてなんでそういう風になっているのかということについてお話しします。

最後の方では、なぜこのような現状がずーっと変わらないのか?
なぜこういう状態が続いてしまっているのか?ということについてもお話ししますので
ぜひ最後まで動画ご覧ください。

 

時間設定がそもそもおかしい

もう早速なんですが、こちらをご覧ください。

教員の1日

ざっくり言うと、
多くの先生は大体毎日12時間ぐらいは働いています。

少ない人でも9〜10時間、多い人だと毎日13時間ぐらい働いている人もいます。

つまり毎日2〜5時間の残業をしているわけですよね。
かける月に20日なので、40時間〜100時間、残業していることになります。

これは平日だけの数字です。

中学校の先生は
ここにさらに土日の部活が入ってきますから、
時間外勤務、毎月100時間なんて、軽く超えちゃいます。

ちなみに厚労省が定めている過労死ラインは
『月80時間』です。

中学校の教員の多くは月80時間ぐらいは
全然余裕でクリアしています。

しかも、毎月、毎月、何年にも渡ってそういう勤務をしているのです。

多くの教員は過労死寸前の状態で働いているというのは
そういうことです。

 

制度的に無理がある

まず、この表の青い部分、
ここが本来の教員の勤務時間です。

ところが、黄色い部分。
ここは勤務時間外なのに、『半強制的な勤務時間』になっているところです。

例えば小学校でよく行われている朝の活動。
勤務時間は8:00〜なのに、
職員会議の中で「朝7:30〜全校でジョギングします」とか提案されて
承認されちゃってる。

管理職としてはあくまでも「先生方の自主的な活動」ということになっているけど、
自分の生徒が参加している中で教員に拒否権なんてないですから、
『半強制的な勤務時間』です。

中学校の部活については、
先生方の勤務時間は8:00〜17:00なのに、
職員会議の中で「朝練は7:00〜とする」とか
「下校時刻は18:30とする」とか提案されて、承認されてる。

にもかかわらず、管理職としてはあくまでも
「先生方の自主的な活動」「無理のない範囲で、できればお願いしたい」
という建前でやってるんですよ。

そんなのおかしいでしょ。

みなさんが中学、高校とがんばって取り組んできた部活、
あれ、先生方が自主的にやってることになってるんですよ。
そんな建前通るわけないでしょうが。

 

よく考えてみてくださいよ、みなさん。

例えば、スーパーマーケットのバイトね。
勤務時間は8:00からです。
でもその前に1時間は無償で働いてください。
勤務終了は17:00です。
でもその後1時間は無償で働いてください。

できればやってほしい。
強制ではないけれども、拒否はほぼできません。
平日毎日そうしてください。

って言われたら、「はいわかりました」ってやります?
そんなんおかしいでしょ。

このスーパー頭おかしいって思うでしょうよ。

 

で、部活とか、時間外の活動を勤務時間ないにやればいいじゃないか、
と思う方もいるかもしれませんが、
そうしたら決められた授業時間数をクリアできない。

そっちはそっちでギリギリラインなんですね。
それだけで実質、いっぱいいっぱいなんですよ。

 

普通の会社だったら、こういう時、どう判断します?

従業員は通常業務だけで労働時間ギリギリ。
通常業務は減らせない。
従業員を増やす金銭的な余力もない。

「じゃあ、今のうちの会社の体制としては
 部活部門を継続していくのは無理だね」

となるじゃないですか?

ところが、学校現場は
「じゃあ、先生方に無償で働いてもらうしかないね」
という判断をしているんですよ。

 

狂気の沙汰としか言いようがないですよ。

 

 

定額働かせ放題の仕組み

こういう話をすると、必ず言われることがあります。

 

「残業代出てるんでしょ?」

 

出ません。

少なくとも平日の残業、時間外勤務については、
1円たりとも残業代は出ません。

なんで出ないかというと、
給特法という法律があるからです。

これは教員は時間外勤務と、時間内勤務の区別を明確にするのが難しいから
給料月額の4%相当を「教職調整額」として支給するよと。
その代わりに残業代を支給しないと決めた法律です。

つまり、月収30万の人だったら毎月12,000円だけもらえるわけです。

40時間残業しても12,000円、
100時間残業しても12,000円です。

つまり、月額10,000円前後で、
定額働かせ放題というなんとも地獄のようなシステムなんですね。

 

これ、法律で定められているから仕方ないと思うかもしれないけど、
あきらかに違憲立法でしょ。
おかしいよね。

100時間残業で12,000円って、時給120円ですよ。
終戦直後の物価じゃないんだから。

 

部活手当というか、
部活の休日出勤手当は一応は出ます。

でも、1日働いて2500円とか、3000円ぐらいでしたよ。

これは地域によっても違うし、
その年によっても違います。

1日働いたら、行き帰りの交通費もかかるし、
お昼ご飯だって買わないといけない。

もうそれで終了ぐらいの金額ですよ。
コンビニのバイトの方がずっとコスパいい。

貴重な休みを毎週使って、
毎週土曜日部活やって12000円ですからね。

 

12000円あげるから月に100時間働け。
12000円あげるから毎週休日返上で働け。

そんな条件で働きたい人います?

 

なぜ変わらないのか?

こんなひどい状態がなぜ黙認され続けているのか?
なんで現場の教師はこれを容認しているのか?

 

その理由は教師という仕事の特殊性にあります。

 

例えば、
コンビニの店員さんに
「お店のために働くのが店員だろ。
 お前はお店のことを考えていないのか?
 他の店員もみんなお店のために頑張ってるんだよ。
 お前は金のために働いてんのか?」

って言ったら

「うるせー!
 そうに決まってんだろうが!!
 なんで店のために無償で働かなきゃいけねーんだよ」

という話になりますよね。
バイト代金払わないとか、
無償で無理やり働かせるというなら裁判で決着つけましょうと。

そういう話になる。

 

ところが教員は

「生徒のために働くのが教師だろ。
 お前は生徒のことを考えていないのか?
 他の先生もみんな生徒のために頑張ってるんだよ。
 お前は金のために働いてんのか?」

 と言われると、

「ぐっ、、、(クソっ、何も言えねー)」

となってしまう。

 

他の先生方が、無償で、自分を犠牲にして、
生徒のためにがんばっているのに。

お金のことでグダグダ言うなんて、
自分が非常にがめつい、下等な、使命感の低い人間のように思えてしまう。

まるで生徒のことを考えていない、
教師として最低の存在のように思えてしまう。

だから言えないんです。

 

でも、私は辞めたから言える。
まぁ私は辞める前から言ってたけど、
普通は教師という立場から

「金よこせー」
「うるせーこっちは仕事としてやってんだよ」
とは言えない。

 

ましてや裁判なんて起こせないですよね。

教員の労働環境のことについて話すと
「よくそんなに不満があるなら、裁判でも起こせばよかったじゃないか」
と言ってくる人がいるんですが、
お前まともに働いたことねーだろ、と。

40年近くもずっと働くつもりで入った職場で、
裁判なんて起こせるか?

じゃあ裁判で何百万かブン取ったとしても、
その後30年、針のムシロじゃないですか。

もしかしたら、人事異動で荒れた学校ばかり行かされるとか、
昇進できないとか、そういう目に合うかもしれない。

だから、裁判なんて起こせないんですよ。

 

ましてや、一般の教員が国を相手に裁判なんて起こしたら
ニュースになるでしょ?

「○○先生が、500万の支払いを求めて国を訴えたらしい」って、
そんなウワサが広まっている学校の中で教師として働けないでしょ。

裁判起こせないから、
違憲立法だって誰も認めてくれなくて、
だからそのまま戦後何十年もこの仕組みが通ってきちゃったの。

そういうことなんですよ。
そういう特殊な事情があって、残ってしまった欠陥制度なんですね。

決して、今のやり方がベストだから残っているわけじゃない。
ベストだなんて、現場の教員は一人も思ってないですからね。

 

そして、さらにここに部活の問題も絡み合ってきてしまって、
さらに問題をややこしくしてしまっているんです。

部活の話はまた今度にしましょう。

 

ということで今回は教師の勤務実態についてお話ししました。

こういう話をすると、「もっと大変な仕事もあるよ」とよく言われるんですが、

 

そんなん知らん!!
それはそれで変えてけ!!

今、私は教育現場の労働環境について話してるの。

他の職種も大変、だったらそれはそれで解決しなきゃいけない問題で、
だからと言って、教育現場がそのままでいいなんて話にはならないの。

そういう屁理屈は、時給120円で月100時間働いてから言いなさいよ。

 

教育改革を進める前に、
まずは先生方の労働環境をなんとかしてください。

お願いしますよ、萩生田文部科学大臣。