いや、バッタ。
やばいですね。
コロナショックの影に隠れてあまり大きな話題になっていないですけど、
実は気になってる人も多いのではないでしょうか?
食糧難につながるんじゃないか?とか
日本にもそのうち来るんじゃないか?とか
心配ですよね。
私もちょっと気になっていたんですが、
最近、インドで被害が深刻ということで、
ちょっと調べてみたんですよ。
そしたらね、
このバッタ問題、おもしろいですよ。
おもしろいと言ったら申し訳ないんですが、
実は人類はずっとバッタと戦ってきたんですね。
そういう歴史も見えてきました。
ということで今回は世界中で大量発生している
バッタの被害についてお送りします。
最後の方では「日本は大丈夫なの?」
ということについてもお伝えしますので、
ぜひ最後までご覧ください。
世界中に広がるバッタ被害の現状
まずは現在のバッタの被害なんですが、
もうね、世界中でめちゃくちゃ大量発生して、
世界中でものすごい被害を与えています。
どれくらい大量かというと、
四畳半の広さに4万匹いるぐらいの感じだそうです。
では具体的にどんな被害が出ているかというと、
もう草も、農作物も食い尽くしちゃうですよ。
1日に3万5千人分もの食料を食べ尽くしているそうです。
アフリカのソマリアではもうヤバすぎて
非常事態宣言まで出されています。
これはここ数十年の中で最悪のレベル、
いや、聖書の時代以来の大災害と言っても良いレベルなんだそうですね。
バッタの歴史については後半でお伝えしますが、
なんと旧約聖書の中にも記述があるんですよ。
どんなバッタなのか?
今世界中で大量発生しているバッタは「サバクトビバッタ」というバッタなんですが、
普段は草原の隅っことかで一人で大人しく暮らしているらしいんですよ。
普段は乾燥した土地で生息していて、
そこにちょこっと生えた草なんかを食べてね。
一人で慎ましやかに暮らしてる。
サバクトビバッタというぐらいだから、
乾燥にはまぁまぁ強いんですよ。
でも卵とか、幼虫は乾燥に弱くて、
普段は成虫になる前に一定数は死んじゃうんですね。
だから、普段は周りに仲間がいなくて、
一人で寂しく生きてるんです。
でも、このバッタ、
ある環境に育つと、性格も体つきも行動も変わっちゃうらしいんですよ。
違う種族なんじゃないかと思うぐらい、急変しちゃう。
じゃあどういう環境で変化するかというと
「近くに仲間がたくさんいる」
という環境。
そういう環境に育ったバッタは
なんか性格も獰猛で、体つきとか、色も違うし、
群れをなして、バンバン空飛んで、移動するようになる。
一人でいる奴は大人しいのに、
仲間が周りにいる環境に育った奴はめっちゃ凶暴っておもしろいですよね。
普段食べないような植物とか、紙とか、綿製品まで、
とにかく食べ尽くしちゃう。
そして、普段は草とか食べてるのに、
大量発生すると、人間が育てている穀物、ムギとか、コメとかですね、
そういうやつをものすごく好んで食べるようになるんですよ。
じゃあこれが食糧難につながるの?とか、
日本は大丈夫なの?ということについては
後半でお送りいたしますので、
ぜひ最後までご覧ください。
なぜバッタが大量発生したのか?
じゃあなんで、今、このバッタが大量発生したのかということなんですけど、
2018年5月にアラビア半島で起こったサイクロンがきっかけだそうです。
なんでサイクロンが起こるとバッタが増えるのかというと、
でもサイクロンによって湿気がもたらされたり、
豪雨が降ったりするからなんですね。
もともと湿気があると幼虫の生存率が上がるんですね。
それで大量発生しちゃう。
しかも、乾燥地帯だと普段はそんなに食料がないんで、
成虫になってからも途中で餓死しちゃったり、栄養がなかったりして、
そんなに増えることはない。
でも雨がバーっと降ると、草木も一気に芽吹いてきて、
普段よりも食料も豊富になる。
実はアフリカや中東では、
2018年以降もここ数年で何度かサイクロンが起こっていて、
異常に雨が多い天気が続いていたそうです。
そういう気候条件もバッタの大量発生に影響しています。
ということで、アラビア半島で最初の大発生が起こり、
そこから中東全域に広がり、アフリカなどに移動していったそうです。
大きな群れになると、
一箇所に定住しているとあっという間に周りに草木がなくなっちゃうんから、
本能的にどんどん移動していくんですね。
1日に100kmほど移動することもあるそうです。
そうして、中東で発生した群れは2020年には西はアフリカ内陸部、
東はインド、パキスタンにまで広がっています。
しかも、この群れは時間が経つにつれてドンドン大きくなっているんですよ。
10匹が10匹産むわけではないですからね。
約5日おきに50~100の卵を産み、
それらが一斉に群生相の状態で孵化し、
また成長して50~100個の卵を産む。
まさに指数関数的に大きくなっていきます。
バッタvs人類の歴史
ということで、
いや、コロナのタイミングと重なって大変なことが起こってるな、という感じですが、
実はこのバッタ被害、蝗害(こうがい)っていうんですけど、
これってね、今にはじまったことではなく、
人類の歴史とともにずっと昔からあることなんですよ。
現代社会で、
日本に生きていると信じられないですよね。
最近は人類の歴史はウイルスとの戦いの歴史だった、
なんて言われていますが、
ウイルスだけでなく、バッタとの戦いの歴史も人類とともにあるんです。
昔は地震、水害と並んで、バッタ被害も天災のひとつとか、
神からの罰と考えられていた時期もあったようです。
バッタとの戦いといっても、
昔は今みたいに殺虫剤はありませんよね。
じゃあどうしたかというと、
夜中に火をたいてそこにおびき寄せるとか、
火で燃やすとか、
鳥に食べさせるとか、
金物を叩いてガンガン音を鳴らして追い払うとか、
いろんな方法を使ってバッタと戦ってきたようです。
これ、あまりにも無力ですよね。
火を使うのが一番良さそうですが、
そうすると火がついたまま飛び回るので
家事になっちゃったりね。
草原を燃やすことになっちゃったりするんで、
もう決死の覚悟でやるしかないですよね。
じゃあ、今は殺虫剤があるのでいいかというとそうでもない。
例えば、蜂の巣みたいに一箇所に固まっててくれれば
そこにプシューっと殺虫剤まいておわりかもしれないけど、
空を覆うぐらいのバッタの大群。
ビルがそのまま覆われてしまうほどのバッタの大群が押し寄せてきた時に、
じゃあどれだけの殺虫剤を散布すればいいんだと。
空を埋め尽くすほどのバッタに対して、
空を埋め尽くすほどの殺虫剤を撒けばいいかって、
街全体に殺虫剤撒けばいいかって
それってなかなか簡単にできることではないですよね。
お隣の国、中国では
いま世界で発生しているサバクトビバッタではなく、
トノサマバッタとの戦いの歴史がありました。
中国最古の王朝「殷王朝」の甲骨文字にも、バッタ被害の記述があるので、
もう人間が農業始めた時からずっとこの被害はあるということですね。
その後、周でも、漢でも、唐でも、宋でも、清でも、ずっとバッタ被害は起こり続けています。
一番最近では2005年にも起こっていました。
もちろん、ヨーロッパでも、中東でも、アフリカでも、
太古の昔からバッタとの戦いが続いていたようです。
もちろん、日本も例外ではありません。
日本でも古代から
トノサマバッタとイナゴによる被害はあったようですね。
ただ、日本は大陸みたいに広大な草原みたいなのが少ないでしょ。
だから、日本の場合は大陸のようなスケール感での被害は少なく、
局地的な被害が多かっようです。
食糧難につながる?
ということで、ずっと続いてきた人類とバッタの戦いですが、
今回のバッタ被害が食料難につながるんじゃないかと心配している人も多いですよね。
それはもうね、直結していますね。
アフリカ、中東、インドの農村なんかはかなり被害を受けていますからね。
そういう地域は特に影響が大きいはずです。
アフリカなんかはもともと食糧難の地域もありますから、
そういう地域は本当に深刻な食糧危機に瀕すると思います。
しかもこの時期って、作物を植え付けする時期だったらしいんですよね。
ちょうどその時期に畑をやられてしまったので、
もう1年はお先真っ暗の状態ですよね。
すでにアフリカを中心に3,500万人もの人が
食糧難におちいっているとの報道もありますが、
作物の植え付けができなかったとなると、
ここから先、どんどん状況は深刻になっていきます。
ただ、中東とかアフリカの被害が
世界の食料事情に影響を及ぼすかというと、
それはあまりないかなと思います。
なんでかというと、
中東、アフリカの産業ってなんだと思います?
主な産業は地下資源ですよね。
農作物はそんなに輸出してないんです。
多いといえばカカオ豆とか、そんなもんですかね。
もともと産業が弱い地域ですからね。
自国で食べる分を作るぐらいじゃないですか?
だからあんま影響ないのかな、と思っていたんですよ。
でも、
なんとこのバッタ被害、
実は今、中国や南米にも広がってしまっているんですよ。
それは中国、南米は農作物の一大輸出国ですからね、
これは流石にやばいですね。
中国に関して言うと、
このバッタね、もともと乾燥地帯に住んでいるので、
インドあたりまでは行くんですけど、
熱帯雨林にまで進出することはないんですよ。
そしてあと、流石にヒマラヤ山脈は寒すぎて越えられない。
そうするとインドの先、
つまり中国とか日本まで進むルートがないんで、
だから、今まで歴史的みて、
サバクトビバッタが中国に進出することはなかったんですね。
でも、今ね、ちょっと中国でも出始めているんですよ。
え、なんで!?
どうやってヒマラヤ山脈越えて辿り着いたの?
と思うじゃないですか?
これがね、違うんですよ。
なんと、
貨物コンテナにひっついてきたらしいんですよ。
ヒマラヤとか熱帯雨林は越えられないけど、
中国自体はサバクトビバッタが生息できる環境なんですね。
だからここからガーっと広がっていく可能性はある。
そして、南米。
南米ってアマゾンのジャングルみたいなイメージがあるかもしれませんが、
アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルの一部とか
結構、大草原地域も多いんですよ。
そういう地域で今、急激にバッタが大量発生している。
発生源はパラグアイみたいですけど
それが南米産のバッタなのか、
中国みたいに何処かから輸入されてきたものなのか、
そこのところはちょっとわかりません。
この南米の草原で生産されているのが、
トウモロコシ、小麦、大豆、そして家畜ですね。
草が家畜のエサになる。
こんなんバッタからしたら天国以外の何者でもないですよね。
ここがやられたら、さすがに世界中の食料がやばい。
世界中が深刻な食糧難になる可能性はあります。
日本は大丈夫?
最後に、
じゃあ日本は大丈夫なのか?ということについて。
まず、バッタが飛んでくるんじゃないかということですが、
それはちょっと考えづらいかなと思います。
ただ、中国みたいに、
どこかの国からのコンテナに張り付いていて
それで紛れ込んじゃうという可能性はある。
では、それが大量発生するかということなんですが、
日本はこれから梅雨に入るし、
大草原みたいなところも少ないので、
大陸で起こっているようなことが日本で起こる可能性は低いんじゃないかと思います。
ただ、歴史的に見ても局地的発生する可能性はあるようです。
そして、日本の食料は大丈夫なのか、ということですが、
中国、南米でバッタが大量発生したら、
日本の食料品はかなりやばいです。
大豆、トウモロコシ、食肉なんかは結構、中国や南米から輸入していますからね。
コロナショックでも小麦製品が急に不足したり、
マスクが不足したりしましたよね。
いまだとオートミールが不足しているとか。
そして、不足しているというニュースが流れると
その傾向が一気に加速して、スーパーからあっという間に品物がなくなります。
日本は多くの食料品を輸入に頼っているので、
頼ってるということはこういう影響を受けやすいということです。
なので、
中国や南米でのバッタの広がりがどうなっていくか?
そこのところはかなり注目していく必要がありそうです。
https://forbesjapan.com/articles/detail/32395/3/1/1
https://wired.jp/2020/05/11/africas-huge-locust-swarms-are-growing-at-the-worst-time/