これから「世界恐慌が起こるんじゃないか」と言われていますが、
皆さんご存知ですか?

世界恐慌は少なくとも4年は続きました。

「エー!?そんなに長引くの!?」
と思いますよね。

私たちは
「世界恐慌が来んじゃないか」ということで
なんとなく不安に思っているんですけど、
じゃあ具体的に何が起きたのか?
正確に理解はしていないんですよね。

そこで今回は世界恐慌で具体的に何が起こり、
世界がどうなったのか?
ということについてお話しします。

最後まで読んでいただけると、
世界恐慌について具体的に何が起こって、
どうなったのかということを知ることができます。

そして、私たちは歴史を知ることで
私たちは未来について考え、対策を練っていくことができます。

世界恐慌の概要

まずは世界恐慌のあらましについて説明します。

世界恐慌とは、1929年にはじまった長期的な大不況のことです。
1929年の10月24日に、ニューヨーク市場で株価が大暴落したのをきっかけにアメリカ経済が大混乱。
その影響は世界中に広がり、世界各国が深刻な長期不況におちいりました。

アメリカでは株価は9割減。
GDPは3割下落。
失業率は一時約25%までなりました。

詳しくはまたあとで説明しますが、
その前になぜ世界恐慌が起こったのか?

世界恐慌がなぜ起こったのか?

話は今から100年前。
100年前というとずーっと昔のことのように思えますが、
皆さんのひいお爺ちゃんとか、ひいおばあちゃんが生まれた頃です。

1920年代アメリカは第一次世界大戦後の好景気に沸いていました。
第一次世界大戦でヨーロッパ各国は大ダメージを受け、
サンギュはボロボロの状態だった。

しかし、地理的に離れていたアメリカはノーダメージ。
一人勝ち状態で経済発展を続けます。

そして国内では電化製品や自動車などの大量生産、
そしてそれをローンなどを組ませてそれをバンバン売りまくっていた。

その好景気の流れに乗って登場した投資家たちがバンバン投資しまくって、株価がガンガン上がっていた。

ところが1929年夏頃から、株価はピークに達し、
過剰な好景気に対する不安の声もちょっとずつ囁かれるようになっていました。
そして少しずつ売りに出し始める投資家たちも出始めた。

ちょっと売りが増え始めると、
不安を持っていた投資家たちが逃げ遅れちゃ敵わないということで、我先にと売りに走ります。
そうして売りが殺到。市場が大混乱。
株価は大下落。

それが世界恐慌のはじまりです。

何が起こったか?

世界恐慌がはじまった当時
アメリカの人々はそんなに深刻には考えていなかったようです。

1年も耐えれば元に戻るだろうぐらいに思っていた。

ところが、1年経っても景気は元に戻らず、
むしろ失業者は増える一方。
経済混乱は世界中に広がっていきました。

そしてアメリカでは1933年、失業者は1200万人、失業率は25%に達しました。
経済状況を示すGDPは27%縮小。
株価は9割も下がりました。

これってどういうこと?

もう少しわかりやすく簡単に説明しますね。
株価が9割減少ということは、多くの会社が資産のほとんど失ったということです。
だから、正社員のほとんどをクビにせざるをえない状況になった。
そのため4人に1人が失業。

なんとか仕事を失わずに済んだ会社員も給料は3割減、という状況なんですよ。

すごい状況ですよね。

そして、これは1年や2年の出来事ではありません。

1929年にはじまった大不況がそこをついたのは
1933年、つまり4年間かけてグングン景気が悪化していったんですね。

そこからなんとか持ち直しますが、1937年にまた揺り戻しが起こって大きく景気後退。

大きな意味では1940年ぐらいまで、
10年もズルズルと続いたということです。

各国の対応は?

さて、それに対して各国はどのような対策を取ったのか?

有名なのはアメリカのルーズベルト大統領の「ニューディール政策」ですね。

ダム建設など大規模な公共事業を実施し、
失業者をそこで雇って雇用を生み出した。

その他にも銀行救済のために介入したり、
金本位制を放棄したりという積極的な経済政策を行いました。

また、各国は輸入品に対して高い関税をかけて
輸入を制限しました。
そうしてお金が外に出ていくことを防ぎ、
自国の産業を守りました。

それを大規模に、強烈に行ったのが、イギリスやフランス。
イギリスやフランスは植民地をたくさん持っていたので、本国と植民地だけで経済を回していくことができたんですね。
これをブロック経済といいます。

じゃあ、日本、ドイツ、イタリアみたいに経済力もそれほど強くない、植民地があまりない国はどうしたか?

こういう国は世界恐慌の影響をまともに受けてしまいます。
日本は1930年から昭和恐慌と呼ばれる大不況に突入します。
ちょうど農産物の大凶作にも見舞われ、農村は特に深刻なダメージを受けました。

そして、経済的な大ダメージをまともに受けてしまった日本、ドイツ、イタリアはどうなったか?

ナチスドイツ、イタリアのファシスト党、日本の軍部などが台頭した。
彼らは国民の危機感をあおって、国民の団結を訴え、海外への侵略をはじめた。

中学校の教科書的に言うとこんな感じの流れですね。
まぁ実際にはもっと複雑な国際関係や太平洋での覇権争いなどがあったんですが、ここでは省略します。

世界経済はこれからどうなるのか?

今、アメリカでは4000万人の人が失業しています。

先ほど言ったように、世界恐慌の時は4年かけて1200万人が失業しました。
それが今回はたったの3ヶ月で4000万人です。
失業率は13.3%なので、人口比から考えると比率は低いですが、すごい状況なのは変わりありません。

しかし現在、日本やアメリカでは「コロナバブル」と呼ばれる異常な株高が続いています。
3月末にいったん株価は急落したのですが、
そこからドンドン回復して今に至ります。

これについて「コロナショックが終わった」と安堵している人もいるかもしれません。

でも不安を抱いている人も多いです。

なぜならこれは異常な状態だからです。
コロナでズタボロの経済に対して、
政府や中央銀行がめちゃくちゃお金を投入して
無理やり底上げした。

その結果、まるで疲れて死にそうなのにコーヒーの飲み過ぎで眠れないサラリーマンのような状態になってしまっている。

その糸はいつ切れるかわかりません。

「これは本格的にやばい」と感じた投資家たちが
本格的に売りに入ったら、
世界恐慌の時のように一気に売りが殺到し、
一晩にして株価が大暴落するという可能性は十分にあります。

何がきっかけになるかはわかりません。

もしかしたらヨーロッパの大企業の倒産とか、銀行の倒産など、思いも寄らない何かが引き金になって、
人々の不安が一気に増大してしまう。

世界はいつそうなってもおかしくない危機を孕んだ状態にあります。